溶剤系塗料の特徴とメリット・デメリットを徹底解説！上手な選び方は？ | 大阪の外壁塗装業者なら創建ペイント(創ペン)

溶剤系塗料は、外壁塗装の現場でよく使われている塗料の一つです。
優れた耐久性や美しい仕上がりが特長ですが、一方で有機溶剤による臭気や引火性など、取り扱いには注意が必要な面もあります。

この記事では、溶剤系塗料の特徴やメリット・デメリットを詳しく解説するとともに、上手な選び方のポイントや、よくある質問にもお答えします。
外壁塗装で溶剤系塗料を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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この記事の監修者

創建ペイント
相見 忠明

・ガス可とう管接続工事監督者
・一級建築物石綿含有建材調査者
・第二種電気工事士

職人として9年間、建築現場作業に就き、大手アウトソーシング会社にて5年間のメンテナンス業務を経て、内装に関する資格を習得し、現場管理兼職人として内装・リフォームの知識と経験を深める。
株式会社創建に入社後、外壁塗装に従事し、現在は、創建ペイントの全ての物件の外壁塗装の現場管理を担当しています。

溶剤系塗料ってどんな塗料？特徴を詳しく解説

溶剤系塗料は、建築物の塗装に広く使用されている塗料の一種です。
特徴や成分、乾燥のメカニズムなどを理解することで、塗装工事における適切な塗料選びに役立ちます。
溶剤系塗料の基本的な特徴について詳しく解説していきましょう。

溶剤系塗料の主な成分と働き

溶剤系塗料は、合成樹脂（ビヒクル）、顔料、有機溶剤の3つの主要成分から構成されています。

溶剤の種類や配合比によって、塗料の特性や仕上がりが変化するため、用途に応じた適切な選択が重要となります。

溶剤系塗料の作用

溶剤系塗料は、塗装後に溶剤の揮発により塗膜が硬化・乾燥する特徴があります。
乾燥方式には、一般的に自然乾燥型と加熱乾燥型の2種類があります。

自然乾燥型は、常温で溶剤が揮発することで塗膜が形成される方式です。
一方、加熱乾燥型は、塗装後に加熱することで溶剤の揮発を促進し、塗膜の硬化を速めるタイプです。

加熱乾燥型は、自然乾燥型に比べて塗膜の硬度や耐久性が向上するメリットがあります。
ただし、加熱設備が必要となるため、施工環境や設備面での制約があることも考慮しなければなりません。

溶剤系塗料の代表的な種類

溶剤系塗料には、用途や目的に応じて様々な種類があります。
代表的なものとしては、アルキド樹脂塗料、ラッカー塗料、エポキシ樹脂塗料などが挙げられます。

アルキド樹脂塗料は、乾燥性や作業性に優れ、木部や金属部の保護・美装に広く使用されています。
ラッカー塗料は、速乾性と高い光沢が特長で、自動車の補修塗装などに用いられる事が多いです。

エポキシ樹脂塗料は、優れた耐薬品性と密着性を有し、工業用の防食塗装に適しています。
塗装対象物の素材や求められる性能によって、最適な溶剤系塗料を選択することが大切です。

溶剤系塗料のメリット・デメリットは？

溶剤系塗料は、建築物の保護や美観の維持に欠かせない塗料ですが、メリットとデメリットを理解した上で使用することが重要です。
溶剤系塗料の主な長所と短所について解説するとともに、水性塗料との比較も交えて解説していきましょう。

溶剤系塗料の主なメリット

溶剤系塗料の最大の利点は、優れた耐久性、耐薬品性、耐水性を有していることです。
過酷な環境下でも塗膜が長期間にわたって保護機能を発揮してくれます。

溶剤系塗料は幅広い素材に塗装可能で、金属やプラスチック、木材など様々な下地との密着性が高いのも特長です。
さらに、作業性の良さも溶剤系塗料の魅力の一つと言えるでしょう。

塗料の粘度調整が容易で、はけ塗りやスプレー塗装がしやすいため、効率的な施工が可能となります。
美しい光沢や高品質な仕上がりが得られるのも大きなメリットです。

溶剤系塗料の主なデメリット

一方で、溶剤系塗料にはいくつかのデメリットもあります。
有機溶剤による強い臭気と、人体への健康影響が心配されるため、塗装時には適切な換気と防護具の着用が必要です。

溶剤系塗料は引火性が高く、火災のリスクがあるため、取り扱いには十分な注意が必要です。
環境面でも、揮発性有機化合物（VOC）の排出による大気汚染が問題視されており、近年では規制が強化されてきています。

環境負荷の低減が求められる場面では、溶剤系塗料の使用が制限される場合もあります。
コスト面でも、水性塗料と比べると溶剤系塗料は高価なのが一般的です。

水性塗料との比較

溶剤系塗料と比較される塗料として、水性塗料が挙げられます。
水性塗料は、水を溶媒とすることで低臭気、低VOCを実現しており、環境負荷の低減と作業者の健康への配慮という点で優れているのが特徴です。
一方で、耐久性や耐薬品性、耐水性などの性能面では、溶剤系塗料に及ばない部分もあります。

塗装対象物の素材との相性も考慮する必要があり、例えば金属面への塗装では、溶剤系塗料の方が適している場合があります。
水性塗料と溶剤系塗料にはそれぞれ一長一短があるため、塗装の用途や要求される性能に応じて、適切な塗料を選択することが大切です。

外壁塗装で溶剤系塗料を使用した方がよいケース例

外壁塗装において、溶剤系塗料が特に適している場面があります。
金属製の外壁材や劣化症状がある外壁、塗装が難しい時期の施工など、溶剤系塗料の使用が推奨されるケースを具体的に解説していきましょう。

金属製の外壁材の場合

金属サイディングやトタンなどの金属製外壁材に塗装する際は、溶剤系塗料の使用が適しています。
溶剤系塗料は、金属との密着性が高く、優れた防錆効果を発揮します。
金属表面の微細な凹凸にも塗料がしっかりと入り込み、強固な塗膜を形成するのです。

一方、水性塗料は金属との親和性が低く、密着性や耐久性に課題があるため、金属外壁への塗装には不向きとされています。
金属サイディングの塗り替えや、トタン屋根の塗装など、金属製の外壁材が使用されている建物では、溶剤系塗料を選択することで、長期的な保護効果が期待できます。

外壁塗装に劣化症状がある場合

外壁に様々な劣化症状が見られる場合、溶剤系塗料の使用が最適です。
外壁のひび割れや剥がれ、チョーキングなどの劣化が進行していると、塗膜の密着性や耐久性が低下します。

このような状況で塗り替えを行う際は、溶剤系塗料の優れた密着性と補修効果が発揮されるでしょう。
溶剤系塗料は、劣化した下地にしっかりと食い込み、ひび割れなどの隙間を埋めて塗膜を形成します。

さらに、溶剤系塗料は耐候性や耐久性に優れているため、水性塗料と比べて長期的な保護性能が期待できます。
外壁の劣化が著しい場合は、下地の補修を行った上で、溶剤系塗料を用いることで、建物の美観と耐久性を回復させることが期待できます。

塗装が難しい時期の場合

外壁塗装の施工時期によっては、溶剤系塗料の使用が適している場合があります。
水性塗料は、気温や湿度の影響を受けやすく、低温時や高湿度時の塗装では乾燥不良や塗膜の品質低下が懸念されます。

一方、溶剤系塗料は、水性塗料と比べて気象条件の影響を受けにくいというのが特徴です。
冬季の低温時や梅雨時の高湿度時など、水性塗料の施工が難しい時期でも、溶剤系塗料であれば良好な塗装品質が得られる可能性が高くなります。

ただし、溶剤系塗料とはいえ、極端な低温や高温、高湿度の環境下では、塗装不良のリスクがあることも覚えておきましょう。
塗装時期の選定に迷った場合は、専門家に相談し、適切な塗料選びと施工方法について助言を求めることをおすすめします。

溶剤系塗料の選び方のポイントは？

溶剤系塗料を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。

• 【1】塗装対象物の素材や用途を考慮
• 【2】求められる性能や仕上がりの確認
• 【3】作業性や乾燥時間の確認

これらのポイントを押さえ、様々な観点から最適な塗料を選択することが大切です。
溶剤系塗料選びのポイントを詳しく解説していきましょう。

【1】塗装対象物の素材や用途を考慮

溶剤系塗料を選ぶ際に、まず考慮すべきは塗装対象物の素材や用途です。
金属、木材、プラスチックなど、それぞれの素材に適した塗料を選ぶことが重要です。

例えば、金属に塗装する場合は、防錆効果のある塗料を選ぶことで、錆びの発生を抑制できます。
木材の場合は、木材の種類や含水率に合わせた塗料選びが必要です。

屋内用と屋外用では、求められる耐候性や耐久性が異なるため、使用環境に応じた塗料選びも欠かせません。
塗装対象物の素材や用途を十分に考慮し、最適な溶剤系塗料を選ぶことが大切です。

【2】求められる性能や仕上がりの確認

溶剤系塗料選びのもう一つの重要なポイントは、求められる性能や仕上がりの確認です。
塗装対象物に求められる性能は、耐久性、耐薬品性、耐熱性など様々です。

例えば、工場の床や壁に塗装する場合は、耐薬品性や耐摩耗性が重要になります。
一方、自動車の塗装では、耐候性や耐久性が求められます。

仕上がりの好みも人それぞれです。つや消し、半つや、高光沢など、望む仕上がりに合わせた塗料選びが必要です。
求められる性能や仕上がりを明確にし、適した溶剤系塗料を選ぶことが、満足度の高い塗装結果につながります。

【3】作業性や乾燥時間の確認

溶剤系塗料選びの際には、作業性や乾燥時間も重要な確認ポイントです。
塗装作業のしやすさは、塗料の粘度やはけ塗り性によって大きく左右されるものです。

粘度が高すぎると塗りにくく、低すぎると垂れやすくなります。
はけ塗り性が良い塗料は、均一な塗膜を形成しやすく、仕上がりが美しくなります。

乾燥時間の短さも作業効率に直結するポイントです。
乾燥時間が短いほど、次の工程に早く移れるため、全体の作業時間を短縮できます。
作業性や乾燥時間を確認し、効率的で質の高い塗装作業を実現する溶剤系塗料を選ぶことが大切です。

溶剤系塗料に関するよくある質問

溶剤系塗料を使用する際には、臭気対策や保管方法、安全対策など、様々な疑問や不安が生じることがあります。
溶剤系塗料に関するよくある質問について、専門家の視点から詳しく解説していきます。
正しい知識を持って、安全かつ適切に溶剤系塗料を取り扱うことが大切です。

【Q1】溶剤系塗料の臭気対策はありますか？

溶剤系塗料の臭気は、有機溶剤に由来するもので、強い刺激臭を伴うことがあります。
臭気対策として最も重要なのは、十分な換気を行うことです。

塗装作業中は、窓やドアを開放し、換気扇や送風機を使って室内の空気を入れ替えます。
また、作業者は防毒マスクを着用し、有機溶剤の吸入を防ぐ必要があります。

水性塗料など低臭気タイプの塗料への切り替えも検討するといいでしょう。
水性塗料は、有機溶剤を含まないため、臭気が少なく、環境にも優しいという利点があります。

ただし、塗装対象物や求められる性能によっては、溶剤系塗料の使用が必要な場合もあります。
状況に応じて、適切な臭気対策を講じることが重要です。

【Q2】溶剤系塗料の保管方法は？

溶剤系塗料には引火性があるため、保管方法には細心の注意が必要です。
まず、火気厳禁が大原則です。
塗料を保管する場所には、火花や裸火を絶対に近づけてはいけません。

また、直射日光を避け、涼しい場所で保管することが大切です。
高温になると、塗料の品質が劣化したり、引火のリスクが高まったりします。

塗料は密閉容器に入れ、ラベルに内容物や注意事項を正しく表示しておきましょう。
子供の手の届かない場所に保管し、転倒や落下を防ぐ工夫も必要です。

塗料の保管場所は、換気が良く、湿気が少ない場所を選ぶことが理想的です。
適切な保管方法を守ることで、塗料の品質を維持し、事故を未然に防ぐことができます。

【Q3】塗装後の安全対策はありますか？

溶剤系塗料を使用した後は、塗装面から有機溶剤が揮発していくため、安全対策が欠かせません。
塗装後は十分な換気を継続することが重要です。
有機溶剤が完全に揮発し、臭気がなくなるまで、窓やドアを開放しておきます。

塗装面が乾燥するまでは、直接触れないように注意が必要です。
乾燥が不十分な状態で塗装面に触れると、塗膜を傷めたり、皮膚に塗料が付着したりする恐れがあります。
乾燥時間は塗料の種類や塗装条件によって異なるため、塗料の取扱説明書を確認し、十分な時間を確保するようにしましょう。

塗装に使用した道具や容器は、適切に洗浄し、廃棄する必要があります。
有機溶剤が残っていると、引火や健康被害のリスクがあるため、注意が必要です。
塗装後の安全対策を徹底することで、健康的で快適な生活環境を維持できます。

まとめ

溶剤系塗料は合成樹脂、顔料、有機溶剤から構成され、溶剤の揮発により塗膜が形成されるのが特徴です。
耐久性や耐薬品性に優れ、幅広い素材に塗装可能で仕上がりも美しいですが、有機溶剤による臭気や引火性などのデメリットにも注意しなければいけません。

外壁塗装では、金属製の外壁材や劣化症状がある場合に溶剤系塗料が適しているケースが多いですが、塗料を選ぶ際は、塗装対象物の素材や用途、求められる性能などを総合的に考慮することが大切です。
溶剤系塗料の特性を理解した上で、プロの塗装業者に相談しながら最適な塗料を選択していくことをおすすめします。

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