給湯器の種類&人気メーカーを徹底比較!シーン別の選び方も解説します

毎日の暮らしに欠かせないお湯の供給を担う「給湯器」。
種類やメーカーによって性能や特徴が大きく異なるため、どれを選べばよいか迷ってしまう方も多いでしょう。
本記事では各種給湯器の特性や主要メーカーの比較、家族構成に応じた最適な選び方まで幅広く解説します。
目次
給湯器の種類と基本性能
日々の生活に欠かせない給湯器は、使用する燃料や仕組みによって性能や特徴が異なります。
それぞれのタイプについて詳しく見ていきましょう。
ガス給湯器(従来型とエコジョーズ)
ガス給湯器は都市ガスやプロパンガスを燃料として瞬間的にお湯を沸かす仕組みです。
導入費用が比較的安く、設置スペースも少なくて済むため多くの家庭に普及しています。
従来型に比べ、エコジョーズは排熱を再利用して効率を高めた省エネタイプの給湯器です。
熱交換器を2つ搭載することで、従来は捨てていた排気熱を回収し有効活用します。
この技術によりガス使用量を約13%~15%抑えられるため、長期的に見れば光熱費の削減につながります。
初期費用は従来型より高めですが、ランニングコストの面では経済的といえるでしょう。
電気給湯器の特徴
電気温水器は電気ヒーターでタンク内の水を加熱する仕組みです。
電気料金が割安になる夜間時間帯にお湯を沸かしてタンクに貯めておくため、電気代を抑えられるメリットがあります。
一方、エコキュートは空気中の熱を利用するヒートポンプ式の給湯器です。
投入した電力の約3倍のエネルギーを生み出せるため、通常の電気温水器より少ない電力でお湯を沸かせます。
初期費用は高めですが、ランニングコストを大幅に削減可能です。
石油給湯器の特性
石油給湯器は灯油を燃焼させてお湯を作る仕組みです。
特に寒冷地では高い人気を誇り、理由としては灯油の持つ熱量の高さと比較的安価なランニングコストが挙げられます。
エコフィールは排熱を再利用する省エネタイプの石油給湯器です。
機種によって熱効率が83%~95%にまで向上し、少ない燃料で効率的にお湯を作れます。
環境への配慮と経済性を両立したモデルとして注目されています。
石油給湯器は安全に使用するため、設置から10年を目安に点検を受けるのがおすすめです。
定期的なメンテナンスが必要になりますが、灯油の供給が安定している地域では安心して使える給湯器といえるでしょう。
ハイブリッド給湯器の仕組み
ハイブリッド給湯器は電気とガスの長所を組み合わせた給湯システムです。
基本的にはエコキュートと同じヒートポンプ式で沸かしたお湯をタンクに貯めておき、不足した場合はガスで瞬時に沸かす仕組みになっています。
リンナイの「ECO ONE」はユーザーの生活パターンを学習する機能を搭載しているのが特長です。
使用状況を分析し、最適なタイミングで効率よくお湯を沸かすため、無駄なエネルギー消費を抑えられます。
ノーリツの「ユコアHYBRID」は使用パターンを記憶し、大量のお湯が必要ない時間帯は低温貯湯、入浴など多くお湯を使う時間帯には高温貯湯する「スマート制御」機能を備えています。必要な時に必要な量のお湯を効率よく供給できるのです。
給湯器の種類 | 初期費用(本体+工事費) | ランニングコスト | 適している住宅環境 |
---|---|---|---|
ガス給湯器(従来型) | 約10~20万円 | やや高い | マンション・アパート |
ガス給湯器(エコジョーズ) | 約15~28万円 | 中程度 | 都市部の戸建て・集合住宅 |
電気温水器 | 約60~70万円 | やや低い | 電気料金が安い地域 |
エコキュート | 約45~93万円 | 低い | 戸建て住宅(設置スペース要) |
石油給湯器 | 約15~25万円 | 中~低 | 寒冷地・灯油が入手しやすい地域 |
ハイブリッド給湯器 | 約45~70万円 | 非常に低い | 戸建て住宅(光熱費節約重視) |
給湯器メーカーの比較
給湯器市場は、多くのメーカーが競争を繰り広げる分野です。
各メーカーの特徴や強みを理解し、自分に合った製品を選びましょう。
ガス給湯器の主要メーカー
ガス給湯器の国内市場は、リンナイとノーリツの二大メーカーが牽引しており、両社で大きなシェアを占めています。
その他にも、パロマやパーパスといったメーカーが一定の存在感を示しています。
リンナイはガス機器専門メーカーとして高品質な製品開発に注力しており、環境性能と省エネ性を両立したラインナップが特長です。
先進的な技術を積極的に取り入れ、機能面でも優れた製品を展開しています。
ノーリツはガス給湯器に加え、太陽エネルギーシステムなども手がけており、製品の幅広さが魅力です。
設置方法のバリエーションが豊富で、サビに強い特殊塗装を施した耐久性に優れた製品も多く、高い評価を得ています。
エコキュートの人気メーカー
エコキュート市場では、三菱電機とパナソニックが二大巨頭として大きなシェアを占めています。
他にも、コロナ、日立、ダイキンも一定の存在感を示しており、各社が競い合っている状況です。
エコキュートを選ぶ際は次のポイントを考慮するとよいでしょう。
- タンク容量は家族の人数や生活スタイルで決める
- 寒冷地か温暖地かで適した機種が異なる
- フルオートかオートかで利便性と価格のバランスを考える
- 保証期間や修理対応のサービス内容を確認する
メーカー別の技術の特徴
リンナイは「技術のリンナイ」と称されるほど、高い技術力に定評があります。
中でも一部の機種に搭載されている「エアバブルテクノロジー」は、直径1マイクロメートル未満の微細な泡を発生させる技術です。
水回りの汚れを軽減し、水垢の付着や排水管の汚れを抑制します。
さまざまな効果が期待できるのが特長です。
ノーリツのエコジョーズシリーズは、排熱を有効活用して熱効率を高め、省エネルギーを実現している点が大きな魅力です。
従来と同じようにお湯を使ってもガス使用量を抑えられるため、ガス代の節約につながります。
パロマも、高い技術力が光るメーカーです。
「安全性」「省エネ性」「施工性」「利便性」のすべてにおいて独自の技術と工夫が凝らされており、特に壁面火災防止装置や省エネ機能、スマートリモコンなどが特長として挙げられます。
給湯器の機能と選び方
給湯器を選ぶ際は、基本性能だけでなく搭載機能の違いも重要なポイントです。
ライフスタイルに合った機能を選ぶことで、日々の暮らしがより快適になります。
給湯専用と追い焚き機能
給湯専用タイプは蛇口やシャワーからのお湯供給のみを行うシンプルな給湯器です。
自動湯はり機能はないため、浴槽には蛇口やシャワーからお湯を溜めなければなりません。
価格が安いことが最大のメリットで、お風呂をあまり使わない方や単身世帯に適しています。
ふろ給湯器は給湯に加えて自動湯はりや追い焚き機能を備えています。
一戸建てや賃貸住宅にも広く導入されており、お風呂の温度を維持したい家庭に人気です。
忙しい日常の中で、お風呂の準備や温度管理の手間を省ける便利な機能といえるでしょう。
フルオートとオートの違い
フルオートタイプは「お湯はり」「保温」「追い焚き」「足し湯」の機能を全て自動で行う高機能モデルです。
リモコン操作だけで浴槽の水位や温度を管理できるため、忙しい家庭や高齢者のいる家庭に適しています。
便利さを優先する方にはフルオートタイプがおすすめです。
オートタイプ(セミオート)は「お湯はり」「保温」「追い焚き」の機能を自動で行いますが、足し湯は手動で行う必要があります。
フルオートより機器価格がリーズナブルなのが魅力で、コストパフォーマンスを重視する方に人気があります。
給湯暖房熱源機の活用法
給湯暖房熱源機は給湯やお風呂機能に加え、浴室乾燥や床暖房も使用できる多機能タイプです。
一台で複数の役割を果たせるため、設備をコンパクトにまとめたい方に適しています。
給湯暖房熱源機は主にガスと石油で利用可能で、特に寒冷地や暖房設備を多く使用する住宅との相性が良いです。
冬場の寒さ対策や浴室の湿気対策を考えている方は、給湯暖房熱源機の導入を検討する価値があります。
家族構成別の選び方
家族の人数や生活スタイルによって最適な給湯器は異なります。
ライフスタイルに合った選択をすることで、快適さとコスト面の両方で満足できる給湯ライフを送りましょう。
一人暮らし・二人暮らし向け
一人暮らしや二人暮らしでは給湯使用量が比較的少ないため、コンパクトな給湯器が適しています。
ガス給湯器なら16号程度、エコキュートなら180L程度の小容量モデルで十分対応できます。
使用頻度が低い場合は初期費用の安いガス給湯器の給湯専用タイプが経済的です。
省スペース設計で設置場所を取らないのも魅力です。
特に都市部のマンションやアパートでは重宝されます。
大家族向け
4人以上の家族では同時にお湯を使う機会が多く、給湯能力の高い機種が求められます。
ガス給湯器なら24号タイプ、エコキュートなら370L以上の大容量モデルを選ぶと良いでしょう。
家族が多い場合はフルオートタイプの給湯器が便利です。
自動でお湯張りから保温、追い焚き、足し湯まで対応できるため、忙しい家事の合間にもお風呂の準備や管理が楽になります。
特に子育て世代や共働き家庭では時間の節約になる機能です。
地域環境の違い
寒冷地では石油給湯器が人気を集めています。
灯油は熱量が多く効率的に給湯できるため、特に厳冬期の使用に最適です。
外気温が低い環境でも安定した給湯能力を発揮する点が評価されています。
暖地では年間を通じて安定した性能を持つガス給湯器やエコキュートが最適です。
特に夏場の高温時でも安定して動作するため、一年中快適に使用できるという強みがあります。
エコキュートは夏場の気温が高い時期ほど効率が良くなる特性があり、暖かい地域との相性が良いです。
寒冷地でエコキュートを使用する場合は、必ず寒冷地仕様のモデルを選びましょう。
まとめ
給湯器選びは、家族構成や地域環境、使用スタイルによって最適な機種が異なります。
ガス給湯器は初期費用が比較的安く、エコジョーズを選べば省エネ性能も兼ね備えています。
メーカー選びでは、ガス給湯器市場で高いシェアを誇るリンナイやノーリツ、エコキュート分野で強みを持つ三菱電機やパナソニックなど、各社の技術的な特長を比較することが大切です。
初期費用だけでなくランニングコストも考慮し、長期的な視点で自分に最適な給湯器を選びましょう。