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追い焚きと風呂自動はどっちがお得?電気代・ガス代を徹底比較

お風呂の機能である「追い焚き」と「風呂自動」では、どちらが光熱費が高いのか気になる人も多いはずです。
どちらのほうがお得なのか、実際の使用パターンや家族構成に応じて使い分けることで、年間数千円から数万円の節約が可能です。

この記事では両機能の仕組みから実際の費用比較、家庭環境別の活用方法までを実データに基づき解説します。

[mokuji]

追い焚きと風呂自動の基本的な違いは?

風呂に関する二つの主要機能「追い焚き」と「風呂自動」には明確な特徴の違いがあり、使い勝手だけでなく光熱費にも差が出ます。

追い焚き機能の仕組みと特徴

追い焚き機能は浴槽内にある冷めた湯を配管に循環させて再び温める仕組みです。
水から沸かす場合と比べてガス消費量が少なく、約421NLのガス消費量で済みます。
風呂自動と比較して、約19%の削減が実現できます。
都市ガスを使用した場合、追い焚き1回あたりのガス代は約66円程度です。

給湯器の熱効率が80%前後であれば、200Lの湯を追い焚きするのに約20~30分かかります。
事前に張った湯を再利用するため、水道代も節約できるでしょう。
ただし、残り湯を長時間放置するとレジオネラ菌が繁殖するリスクが高まる点には注意が必要です。
特に湯温が20℃~45℃の間で菌が増殖しやすいため、1日を超える再利用は避けたほうが無難でしょう。

風呂自動(フルオート)の仕組みと特徴

お風呂の自動機能とは、ボタン一つで自動的にお湯はりをして、設定温度まで沸かしてくれる便利な機能です。
予約もできるので、帰宅時間に合わせてお風呂を準備できます。

ガス使用量は追い焚きより若干多いですが、いつでも新鮮なお湯に入れるメリットがあります。
都市ガスを使った場合の1回あたりの料金は約81円で、追い焚きよりは少し高めです。
 
湯張り完了までの時間も追い焚きより短く、衛生面で安心感がある方法といえるでしょう。
ただし、毎回新しい水を使用するため、水道代が余分にかかります。

比較項目 追い焚き 風呂自動
ガス消費量 約421NL 約520NL
1回あたりコスト(都市ガス・ガス代のみ) 約66円 約81円
1回あたりコスト(合計) 約67円 約112円
加熱時間(200L) 約28分 約13分
水道代 0円(残り湯利用時) 約48円(毎回新規使用時)
衛生面 残り湯長期利用で菌繁殖リスク 常に新鮮な湯

機能選びで考慮すべきポイント

追い焚き機能では前日の残り湯を利用できるため水道代が0円になる利点がありますが、衛生面ではレジオネラ菌の繁殖リスクが考えられます。
一方、風呂自動は新規湯張りが基本で衛生的ですが、1回あたり約40~50円のコスト増となります。

浴槽の保温性も重要なポイントです。断熱蓋を使用することで、追い焚きの時間や回数を短縮できる場合があります。
例えば、あるメーカーのデータでは追い焚き時間が約5分短縮された例もあり、熱効率も向上します。
長期的にはガス代の節約が期待できるでしょう。

毎日入浴する多人数家族なら追い焚きが経済的ですが、入浴頻度が少ない単身者は風呂自動の便利さを優先したほうが良いでしょう。
ガス種別に応じた比較も重要です。
プロパンガスは都市ガスより割高なため、プロパンガス利用家庭では追い焚き機能のコスト優位性がさらに高まります。

追い焚きと風呂自動のガス代はどれくらい違う?

実際の家計に与える影響を理解するために、両機能の具体的なコスト差を比較しましょう。
水道代や電気代も含めた総合的な分析が重要です。

1回あたりの光熱費比較

追い焚き機能と風呂自動機能の光熱費を比較すると、追い焚きのほうが経済的です。
都市ガス使用家庭では、追い焚きのほうが1回あたりの総コスト(水道代・電気代・ガス代の合計)で風呂自動より安く済みます。
これを月単位で計算すると、毎日お風呂を使用する家庭では月々の節約額はかなり大きくなります。

プロパンガスを利用している場合、差はさらに広がるでしょう。
プロパンガスは都市ガスより割高な傾向にあり、コストの差も拡大します。
月々の家計への影響もより顕著になるでしょう。シャワーのみの利用と比較した場合は、さらに光熱費の差が大きくなる点も考慮に入れると良いでしょう。

都市ガスとプロパンガスによる違い

都市ガスとプロパンガスの料金には、大きな差があります。
一般的に、プロパンガスの料金は都市ガスの1.7~2.5倍高いといわれています。

都市ガスはエリアごとに料金が異なりますが、同じエリア内ではほぼ一律です。
プロパンガスは業者や地域によって料金差が大きく、水道光熱費は都市ガスと比較して割高といえるでしょう。

プロパンガスの料金を抑えるには、業者の見直しも効果的です。
複数の業者から見積もりを取り、よりコストパフォーマンスの高いところを選びましょう。

使用頻度による費用の違い

家族4人が1時間間隔で入浴する場合、追い焚きは1回で済むため10~15%程度の光熱費削減が期待できます。
季節や浴槽の断熱性、フタの有無などによって温度低下や追い焚き回数は大きく異なります。

電力会社が設定している夜間の割引時間帯に風呂自動機能の利用を合わせることで、通常より安い料金で入浴準備が可能です。
多くの電力会社が22時から翌朝8時までの間に割引料金を設定しているため、この時間帯を活用しましょう。

電気代から見る自動保温機能のコスト

自動保温機能を使用した場合の電気代も考慮すべき重要なポイントです。
便利さと費用のバランスを見極めましょう。

自動保温機能の電気代の目安

40℃に設定して12時間保温を続けた場合、徐々に温度が下がり28℃まで冷却されます。
追い焚きする場合は、数十円/日の追加費用が必要です。
200Lの追い焚きには月額で865円の電気代が発生します(1kWh=25.51円計算)。

保温機能の待機電力はごくわずかですが、長期使用による機器の誤作動リスクや湯漏れリスクも考慮すべきです。
保温機能を使わずに入浴直前に追い焚きする方法が機器の寿命の観点からもおすすめです。

保温機能を使用する場合は以下の点に注意しましょう。

  • 保温時間は4時間以内に設定し、長時間の保温は避ける
  • 浴槽の蓋は必ず閉めて使用する
  • 機器の定期点検を欠かさない

風呂自動の総合コスト

都市ガス家庭で風呂自動を利用した場合、月額コストは約3,000円です。
対してプロパンガス利用では月約5,000円と都市ガスと比べてコストが高くなります。

深夜電力を活用することで電気代を削減できる可能性がありますが、頻繁に機器を作動させることで寿命が短縮する懸念点もあります。
機器の耐用年数と光熱費のバランスを考えると、1日1回の使用が最適と言えるでしょう。
家族の生活リズムが安定している場合は決まった時間に風呂自動を設定し、不規則な場合は追い焚き機能を活用するといった使い分けも効果的です。

節約のための対策

断熱材入りの浴槽カバーを使用することで熱損失率を低減できます。
市販の専用カバーだけでなく、100円ショップで売られているアルミシートを活用する方法も効果的です。

追い焚き時の湯量を200Lから150Lに制限することでガス代を削減できます。
ただし湯量を減らしすぎると快適さが損なわれるため、家族の好みに合わせた調整が必要です。

給湯器のフィルターを3ヶ月ごとに清掃することで熱効率が向上します。
汚れたフィルターは熱交換効率を下げるため、定期的な清掃で効率改善を期待しましょう。
日々のメンテナンスが長期的には大きな節約につながります。

家庭環境別の選び方と節約テクニック

家族構成や生活スタイルに合わせた最適な選択方法と、実践的な節約テクニックを紹介します。

家族が多い場合の工夫

単身世帯では追い焚きよりもシャワー利用が経済的で、月約1,000円程度の節約になります。
4人家族の場合は、入浴時間を2時間以内に集中させることで追い焚きを1回で済ませる戦略が有効です。

家族間で入浴順序を工夫することで、光熱費の大幅削減が可能になります。
特に子どもを先に入れ、大人が後から入る順序にすると効率的です。

省エネ設備の活用

浴槽内に2Lペットボトル4本を設置することで、実質湯量を8L削減することができます。
これにより必要なエネルギー量が減少し、光熱費の節約につながります。

追い焚き配管に断熱テープを巻くことで熱損失率の改善が可能です。
材料費は1,000円程度で済み、DIYで取り付け可能です。
ホームセンターで購入できる断熱テープを配管に巻くだけの簡単な作業で、長期的な省エネ効果が期待できます。

スマートメーターを導入することで時間帯別料金プランを最適化することも可能です。
電力使用状況をリアルタイムで把握できるため、割引時間帯に合わせた風呂使用が可能になります。
導入費用は無料の場合が多いため、検討する価値があるでしょう。

契約プランの見直し

都市ガスから電力会社とのセット割引プランへ切り替えることで、年間2,100円の削減に成功した事例があります。
電力会社やガス会社によって多少前後するものの、ガス会社と電力会社の組み合わせによっては5〜10%の割引が適用される場合もあります。

プロパンガス業者の見直しで、1立方メートルあたり689.2円~602円へと12.7%の値下げ交渉に成功した例もあるようです。
各地域の電力会社が提供する特典を確認することで、さらなる節約の可能性が広がります。
複数の業者から見積もりを取り、比較検討してみましょう。

まとめ

追い焚きと風呂自動では、家族構成や生活パターンによって一番最適な方法が変わります。
追い焚きは水道代の節約と入浴時間の調整が可能で、特に大人数の家族にとって経済的な選択肢です。
風呂自動は新鮮な湯と便利さが魅力で、不規則な生活パターンの家庭に適しています。

どちらを選ぶにしても、断熱対策や契約プラン見直しなど周辺の工夫で、さらなる節約が可能です。
状況に応じて機能を使い分け、快適で経済的なお風呂ライフを過ごしましょう。