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ガス給湯器が凍結!解消法と予防策を分かりやすく解説

気温が下がる冬場、ガス給湯器の凍結トラブルに困った経験はありませんか?
今回は凍結原因から予防策、万が一凍結した際の対処法までを詳しく解説します。


旧澤 はるか(創建リフォーム)

インテリアコーディネーター
カラーコーディネーター
キッチンスペシャリスト

前職ではリフォーム会社の営業職として家族状況の変化やライフステージに合わせた最適なリフォームプランを提案してきました。
株式会社創建に入社後、リフォームコーディネーター・カラーコーディネーターとして、色彩の配色を活かしたリフォームコーディネートを行っています。

    なぜガス給湯器は凍結するの?

    ガス給湯器の凍結は冬場になると多く発生するトラブルです。
    凍結を防ぐには原因を知ることが大切。なぜ凍結するのか詳しく解説しましょう。

    給湯器の凍結が起こる原因

    気温が0℃を下回ると、給湯器内部や配管に残っている水が凍り始めます。
    特に氷点下4℃以下になると凍結のスピードが急に速まるでしょう。
    屋外に設置されているタイプのガス給湯器は外気に直接触れるため、室内設置型よりも凍りやすくなります。

    風が強い日はさらに注意が必要です。
    実際の気温表示よりも厳しい環境に給湯器がさらされます。
    長時間お湯を使わないと配管内の水が動かず、凍結リスクが高まります。
    冬季の旅行や外出時に無防備な状態で給湯器を放置すると、帰宅時に凍結トラブルに見舞われる可能性が高くなるため注意が必要です。

    凍結しやすい部分

    給湯器で最も凍結しやすいのは屋外に露出した水道管の部分です。
    給湯器本体内には熱交換器という水が通る重要部品があり、凍結すると故障の原因になります。
    給水・給湯配管の接続部やバルブ類は隙間から冷気が入りやすく、要注意ポイントです。

    給湯器の排水管や安全弁(逃し弁)は水が残りやすい構造になっていて凍ることがあります。
    配管の曲がり角や継ぎ目部分は熱の伝わり方が変化するため、凍結が起こりやすい場所です。

    部位 凍結リスク 理由
    屋外露出水道管 高い 外気に直接触れるため
    熱交換器 高い 内部に水が滞留するため
    配管接続部 やや高い 隙間から冷気が侵入
    排水管・安全弁 やや高い 水が残りやすい構造
    配管の曲がり角 中程度 熱伝導率が変化する部分

    特に注意が必要な地域や条件

    北海道・東北・北陸などの寒冷地域では冬季に凍結が起きやすく、特別な対策が欠かせません。
    関東以南でも1月~2月にかけての厳冬期には気温が氷点下まで下がることがあり、油断できません。

    山間部など標高が高い地域は平野部より気温が低く、凍結リスクが高まります。
    北風が強く吹く日や、晴れた夜は放射冷却現象で急激に温度が下がり、凍結しやすい条件が揃います。

    給湯器の凍結を防ぐ方法

    凍結による故障を防ぐには事前の対策が重要です。
    冬が来る前に準備しておけば安心して寒い季節を過ごせます。

    事前対策が重要!冬場にすべきこと

    凍結シーズン前の秋口(10月〜11月頃)に給湯器の点検やメンテナンスを行っておくと安心です。
    各機種の取扱説明書を確認し、凍結防止機能の有無や使い方を把握しておきましょう。
    配管に巻かれている保温材が劣化していないかチェックし、必要なら交換します。

    屋外設置型の給湯器には専用カバーや風除けを取り付けると効果的です。
    凍結防止ヒーターがある場合は、動作確認と電源の確保を事前に済ませておきましょう。
    冬が来てからでは遅い対策もあるので、早めの準備が大切です。

    保温材を巻く

    ホームセンターで購入できる発泡スチロール製の保温チューブは凍結防止に効果があります。
    配管のサイズに合わせて保温チューブを選び、隙間なく巻くことがポイントです。
    保温材が風や雨で外れないよう、防水テープや結束バンドでしっかり固定しましょう。

    保温材の上からさらに防水性のある布やビニールでカバーすると効果が高まります。
    寒冷地では専用の凍結防止テープ(電熱線入り)も有効ですが、電気代がかかる点に注意が必要です。
    保温材は定期的に状態をチェックし、劣化したら交換するようにしましょう。

    夜間は水を少し出し続ける

    凍結が心配な夜間は、蛇口から少量の水を流し続ける方法が効果的です。
    目安としては1分間に牛乳瓶1本分(約200ml)程度の水を流すとよいでしょう。
    お湯ではなく水道水を出すことで水道料金の節約になります。

    家に複数ある蛇口のうち、給湯器から最も遠い場所の蛇口から水を出すと効果的です。
    凍結の恐れがある夜間だけに限定して実施し、無駄な水の使用は避けましょう。
    水抜き栓による水抜き方法も有効ですが、事前に正しい操作方法を確認しておくことが大切です。

    給湯器の凍結防止ヒーターを活用する

    現在販売されている多くのガス給湯器には凍結防止ヒーターが内蔵されています。
    凍結防止ヒーターは通常0〜4℃程度の低温になると自動的に作動する仕組みになっています。
    ヒーターの電気代は一般的に1日あたり10〜50円程度で、修理費に比べればはるかに経済的です。

    古い機種では凍結防止ヒーターが付いていない場合もあるため、取扱説明書で確認しましょう。
    後付けタイプの凍結防止ヒーターも市販されており、必要なら専門業者に設置を依頼できます。
    凍結防止ヒーターは冬季の必需品と考え、活用するとよいでしょう。

    電源を切らずにおく

    現代のガス給湯器は電源を入れておくだけで自動的に凍結防止機能が働く仕組みです。
    凍結防止のために必要な電力はわずかで、1ヶ月で100円程度の電気代しかかかりません。
    長期不在時も電源プラグは抜かず、ガスの元栓も開けたままにしておくことが大切です。

    リモコンの運転スイッチをOFFにしていても、凍結防止機能は継続して働きます。
    停電時は凍結防止機能が働かないため、別途対策が必要になります。
    メーカーによって仕様が異なるため、取扱説明書で確認しておきましょう。

    凍結を防ぐ方法をご理解いただけたでしょうか。
    ここで一度まとめておきます。

    • 凍結シーズン前に給湯器の点検やメンテナンスを行う
    • 保温材を巻く
    • 夜間は水を少し出したままにしておく
    • 給湯器の凍結防止ヒーターを活用する
    • ガス給湯器の電源を切らない

    凍結してしまったときの対処法

    万が一凍結してしまった場合でも、慌てず適切に対処すれば復旧できる可能性があります。

    無理に給湯器を動かさない

    凍結状態でガス給湯器を使用すると、配管の破裂や内部部品の損傷につながるため危険です。
    リモコンにエラーコードが表示されている場合は、解凍するまで操作を控えましょう。
    凍結したまま点火すると、熱交換器が破損するかもしれませんかもしれません。

    無理に水を出そうとして配管に過度な圧力をかけると破裂の危険性があります。
    解凍作業を始める前にガスの元栓を閉めておくと安全性が高まります。
    焦らず適切な手順で対処しましょう。

    正しい解凍方法

    給湯器の凍結は、自然解凍を基本としましょう。
    無理な解凍方法を試みると配管破裂や給湯器本体の故障リスクが高まります。
    メーカーの取扱説明書に記載された解凍手順を守ることが何より重要です。

    解凍後は水漏れがないか念入りにチェックすることが必要です。
    複数の蛇口をゆっくり開けて、すべての配管が解凍されたか確認しましょう。
    焦らず時間をかけて解凍することで、二次被害を防げます。

    配管部分にぬるま湯をかける

    ぬるま湯をかける方法は効果的な解凍方法の一つです。
    適温は30〜40℃程度で、手で触れる温度が目安となります。
    熱湯をかけると急激な温度変化で配管が破損するリスクがあるため避けましょう。

    タオルをぬるま湯に浸して凍結部分に巻き付ける方法も効果的です。
    ぬるま湯をかける際は、下から上へと徐々に解凍していく順序が重要です。
    水道メーター付近から給湯器に向かって順番に解凍作業を行うとよいでしょう。

    室内を暖めて自然解凍を待つ

    給湯器が室内設置型の場合、部屋全体を暖房で温めることで自然解凍を促せます。
    室温を20℃程度まで上げることで安全に解凍できます。
    自然解凍は時間がかかる方法ですが、配管への負担が少なく安全な方法です。

    窓や扉を閉め切って室温を効率よく上げることがポイントです。
    給湯器周辺の空気の流れを良くするため、周囲の物を少し離しておくとよいでしょう。

    ドライヤーや温風ヒーターを使う方法

    ドライヤーを使う場合は「弱」または「中」の風量設定で、30cm程度離して使用します。
    一箇所に集中させず、凍結部分全体を均等に温めることが大切です。

    小型の温風ヒーターなら給湯器から50cm程度離して設置すると効果的です。
    発火の危険があるため、温風機器を使用中はその場を離れないようにしましょう。

    給湯器の電源を入れ直して動作確認

    解凍後は給湯器のリモコンの電源を一度切ってから再度入れ直します。
    すべての蛇口から正常に水(お湯)が出ることを確認しましょう。
    異音や水漏れがないか確認し、異常があれば使用を中止して専門家に相談します。

    リモコンにエラーコードが表示されていないか確認することも重要です。
    完全に復旧したことを確認するまでは、短時間の使用にとどめ、正常に動作することを確認できたら、凍結防止対策を改めて実施しましょう。

    凍結が原因で故障したらどうする?

    凍結によって故障が発生した場合の対処法についても把握しておきましょう。

    エラーコードを確認する

    給湯器のリモコンに表示されるエラーコードを記録しておくことが大切です。
    メーカーのウェブサイトでエラーコードを検索してみましょう。

    凍結関連のエラーは多くの場合、水圧低下や流量センサーの異常を示しています。
    エラーコードをメモして修理依頼時に伝えると、対応がスムーズになるでしょう。

    修理が必要な場合の費用相場

    配管の部分的な修理・交換は5,000円〜15,000円程度かかります。
    熱交換器の修理はより高額で、20,000円〜50,000円の費用がかかるケースが多く、電装基板などの重要部品の交換になると30,000円〜60,000円程度になるでしょう。

    給湯器本体の交換が必要な場合は、機種にもよりますが15万円〜25万円程度(工事費込み)の費用がかかります。
    凍結による故障は自然災害扱いとなり、メーカー保証対象外となるケースが多い点に注意が必要です。
    修理費用と予防対策費用を比較すると、予防にかける費用がいかに安いかが分かります。

    業者に依頼するタイミングの見極め方

    水漏れが止まらない場合は即座に業者に連絡することが必要です。
    解凍後もお湯が出ない、水しか出ないといった症状がある場合も専門家に診断してもらいましょう。
    異音や異臭がする場合は内部の重大な損傷の可能性があり、早急に修理が必要となります。

    リモコンのエラー表示が解除できない場合は専門業者の診断を受けるべきです。
    自分で対処しても改善しない場合は、無理せず早めに専門業者に依頼しましょう。
    症状に応じて適切なタイミングで修理を依頼することが重要です。

    【まとめ】ガス給湯器の凍結は予防と早めの対処がカギ!

    ガス給湯器の凍結は事前の予防対策が最も効果的です。
    気温が下がる前に保温材を巻いたり、凍結防止ヒーターの確認をしたりすることで多くのトラブルを未然に防げます。

    万が一凍結してしまっても、焦らず適切な方法で解凍すれば深刻な故障に至らないケースも多いものです。
    自然解凍やぬるま湯での対処など、正しい方法で対応しましょう。

    凍結による故障は修理費用が高額になりがちなので、予防にかける手間と費用は決して無駄にはなりません。
    寒い季節も快適に過ごせるよう、給湯器の凍結対策をしっかり行いましょう。