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【節水トイレ】実際どう?メリット・デメリット~交換費用相場も解説します

水道料金の高騰が続く昨今、節水意識が高まり家庭でできる節水対策として節水トイレへの交換を検討する人が増加中です。
家庭用水使用量の約3割を占めるトイレは節水効果が高く、最新モデルではかつての10Lから4L程度までに削減された洗浄水量が魅力になっています。
費用面や導入メリットについて詳しく解説しましょう。

[mokuji]

節水トイレとは?基本と仕組み

一般家庭で使われる水の28%がトイレ用水として消費されています。
最新の節水トイレは従来品と比べ最大70%もの水を節約でき、年間で大きな水道代削減に繋がります。どういった仕組みなのでしょうか。

節水トイレの基本的な特徴

東京都水道局が2006年度に実施した調査によると、家庭で使用する水の28%がトイレ使用で、風呂24%、炊事23%と比較しても最も多い水の使用箇所になっています。
1990年代半ばに製造されたトイレでは大洗浄水量が10Lでしたが、2012年に発売されたTOTOの「ネオレスト」では床排水タイプで3.8L、壁排水タイプで4.8Lまで削減されました。

LIXILの「サティス」シリーズに代表されるタンクレス設計モデルは、貯水タンク不要で直接水道管から給水する仕組みにより従来比60%の節水が可能になりました。
節水技術の進化により、少ない水量でも確実に汚物を流せる性能が実現され、近年では多くのメーカーが競うように節水性能を高めているのです。

効率的な水の流れる仕組み

TOTOが開発した「ハイブリッドエコロジーシステム」は水道管からの直圧とタンク加圧を併用した洗浄方式で、少ない水量でも確実な洗浄力を発揮します。
パナソニックの「3Dツイスター水流」技術では20秒間にわたって便器内を立体的に洗浄した後、一気に排水する仕組みを採用しています。

LIXILの「パワーストリーム洗浄」技術では螺旋(らせん)状の水流を生み出し、少ない水量でも高い洗浄力を実現しました。
独自の水流制御技術により、少ない水量でも確実な洗浄が可能になります。
汚れが残りやすかった便器のふち裏まで水が回る設計も特徴です。

便器内部の形状も大きく進化し、汚れが付きにくいなめらかな素材や表面加工により、少ない水量でも汚れを効率よく洗い流せるようになりました。

主要メーカーの節水技術

TOTOの「トルネード洗浄」技術は床排水で3.8L、壁排水で4.8Lの水量で従来比70%削減を実現しました。
パナソニックの「アラウーノV」シリーズでは有機ガラス素材を採用し水流制御技術により大で4.8L、小で3.6Lの節水性能を実現しています。

LIXILの「アクアセラミック」技術ではISO規格に基づく抗菌加工と銀イオンの作用で汚れの付着を抑制し、少ない水量でも衛生的に保つことが可能になりました。
多数のメーカーが独自技術を競い合うことで、節水性能と洗浄力の両立が進化し続けています。

メーカー 主要技術 洗浄水量 特徴
TOTO トルネード洗浄 床排水3.8L/壁排水4.8L 渦巻き状水流で汚れを効率的に除去
パナソニック

3Dツイスター水流 大4.8L/小3.6L 有機ガラス素材で水流制御
LIXIL

パワーストリーム洗浄 タンクレスで従来比60%削減 アクアセラミック技術で汚れ付着抑制

節水トイレの3つのメリット

最新の節水トイレは水道代削減だけでなく、お掃除のしやすさや電気代節約など多数の利点があります。
投資以上の効果が期待でき、環境にも優しい選択といえるでしょう。

水道代の大幅な節約効果

4人家族の家庭では、従来型トイレ(13L)から節水型トイレ(4.8L)に交換することで年間約15,000円もの水道代削減が可能になります。
1回の大洗浄だけで8.2Lの水を削減でき、10年間使用すると約150,000円もの節約効果になります。

補助金制度を活用することで、節水型トイレへのリフォーム費用負担を軽減できます。
補助金の対象や金額、申請方法は自治体や国の制度ごとに異なるため、事前に公式情報や施工業者に確認しましょう。

水道料金は全国的に値上がり傾向にあり、今後も上昇が続く見込みです。
節水型トイレへの交換は、長期的にみて節水効果が大きいと言えるでしょう。

節水による効果について、ポイントをまとめました。

  • 年間15,000円の水道代削減(4人家族の場合)
  • 10年間で約150,000円の節約効果
  • 自治体補助金の活用
  • 水道料金値上げ対策として有効

格段に清掃しやすくなる

LIXILの「お掃除リフトアップ」機能では便器と床の間に5cmの隙間を確保でき、掃除のしづらかった便器回りの清掃が簡単になりました。
TOTOの「トルネード洗浄」は便器内面の汚れ残留率を大幅に低減し、日々のお手入れの手間を減らします。

パナソニックの「スキマレス設計」はホコリや汚れがたまりやすい溝や隙間を極力なくした設計で、掃除時間を短縮できます。
従来のトイレと比べて掃除回数や時間を減らせるため、日常的な家事負担の軽減につながるでしょう
汚れが付きにくい素材や形状により、長期間美しさを保てるのも魅力的な特性です。

電気代も同時に節約できる

TOTOの「ネオレスト」シリーズでは待機電力を40%削減することに成功し、年間約4,000円の電気代節約が見込めます。
実際、ネオレストの省エネ機能を活用した場合、年間1,800~3,000円程度の電気代節約効果があるとされています。
便座温度設定を「強」から「中」に変更するだけでも、1日8時間使用の場合で年間713円の節電効果があるようです。

人感センサーを搭載した機種では未使用時に自動で節電モードに切り替わり、無駄な電力消費を抑えられます。
温水洗浄便座の電気代は予想外に大きいため、省エネ機能付きモデルへの交換で水道代と合わせて二重の節約効果が期待できるでしょう。

節水トイレの気になるデメリット

多数のメリットがある節水トイレですが、いくつかの注意点も存在します。
設置前に確認すべきポイントを押さえておけば、満足できる選択ができます。
詳しく解説しましょう。

詰まりやすさの問題

節水型トイレは水量が少ないため、流力不足によって詰まりが発生する可能性があります。
トイレットペーパーを同時に多く流すと詰まりの発生率が上昇するため、使用量に注意が必要です。

便器交換時には既存の配管のクリーニングが必須で、工事費用が追加されることがあります。
特に古い住宅や排水管に問題を抱えている場合は、事前の配管検査と清掃を行うことで後々のトラブルを防げます。
メーカーによっては詰まりにくい設計のモデルもあるため、選定時に確認が大切です。

設置場所による制約

節水トイレの設置には最低必要水圧の確保が重要で、水圧不足の場合は正常に機能しない恐れがあります。
壁排水式のトイレに交換する場合は、排水口位置が合うかどうか必ず確認しましょう。

電気工事が必要な機種では、コンセントの新設に追加費用がかかることがあります。
設置前に水道圧や排水方式、電源の有無などを専門業者に確認してもらうことで、想定外の工事費用を防げます。
住宅の構造によっては設置が難しい場合もあるため、事前調査が重要です。

初期導入費用の高さ

TOTOの高級モデル「ネオレストAH」は工事込みで400,000円以上かかることもあり、グレードや工事内容によっては、40万円台~50万円台になることもあります。
LIXILの「サティスG」は標準施工費込みで26万円台~35万円台が多く、パナソニックの「アラウーノV」は便器単体で10万円台からと比較的手頃な価格設定になっています。

自治体の補助金制度を利用すれば初期費用の負担を軽減できる場合もあるため、住んでいる地域の制度を確認するとよいでしょう。

節水トイレの交換費用相場と選び方

予算や必要な機能に応じた選び方のポイントを押さえておけば、満足できる節水トイレ選びができます。
工事費用の内訳も理解しておくと安心です。

トイレ本体の価格帯

トイレ本体の価格は、機能やグレード、メーカーによって大きく異なります。
シンプルな組み合わせ型の場合は約4万~10万円、一体型のスタンダードモデルは約10~20万円が相場です。

タンクレスなど高機能なものになると約20~30万円以上かかることもあるでしょう。
ハイエンドや高級機種の場合、30万円~70万円を超えるものもございます。
機能やデザイン、掃除のしやすさなど、予算とニーズに合わせて選ぶようにしましょう。

工事費用の内訳と相場

トイレリフォーム全体の平均費用は、22万円前後と言われています。
便器交換のみの場合は7~35万円となります。
便器と内装まるごとリフォームの場合は14万~32万円が相場です。

和式から洋式への変更は、15万~75万円と高額になります。
内装材のグレードや消臭・調湿機能付き壁材を選ぶと追加費用が発生します。
便器交換時は床材の張り替えも同時に行うケースが多いです。
工事内容ごとの費用内訳を把握し、希望や予算に合わせてプランを選ぶようにしましょう。

コスト削減のポイント

メーカー公式のリフォーム割引を利用すると大幅割引になるケースもあり、大きな節約になります。
自治体の補助金制度と併用可能な業者を選定することで、さらに初期費用を抑えられるケースも。

既存の便器と同じ排水方式のトイレを選ぶことで、工事費用を約20%削減できる場合があります。
販売店のキャンペーンや季節要因による値引きも活用し、同じ製品でもより安く購入する工夫が効果的です。
ショールームでの下見と複数店舗の価格比較を行い、費用を抑えて導入しましょう。

まとめ

節水トイレは初期導入費用こそ高めですが、水道代と電気代の削減効果が大きく、長期的に見れば節約になります。
洗浄性能の向上と清掃のしやすさも大幅に改善され、日々の家事負担軽減にも貢献します。
自治体補助金やメーカー割引を活用すれば初期費用も抑えられるかもしれません。

設置前には水圧や排水方式の確認が重要で、適切なモデル選びがトラブル防止のカギになります。
環境にも家計にも優しい節水トイレへの交換は、快適な暮らしへの投資といえるでしょう。