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【直し方】トイレの水が止まらないときの対処法と原因を解説

水が止まらないトイレに直面したとき、焦りを感じるのは当然です。
放置すれば水道代が高額になるだけでなく、最悪の場合は水漏れによる床や天井の損傷にもつながります。

この記事では水が止まらない原因から具体的な対処法や予防策まで一連の流れを解説します。


旧澤 はるか(創建リフォーム)

インテリアコーディネーター
カラーコーディネーター
キッチンスペシャリスト

前職ではリフォーム会社の営業職として家族状況の変化やライフステージに合わせた最適なリフォームプランを提案してきました。
株式会社創建に入社後、リフォームコーディネーター・カラーコーディネーターとして、色彩の配色を活かしたリフォームコーディネートを行っています。

    トイレの水が止まらない原因とは?

    トイレの水が止まらない現象の要因はさまざまです。適切に対処するためには、正確に原因を把握する必要があります。
    よくあるケースについて見ていきましょう。

    【原因1】フロートバルブ(浮き玉)の不具合

    トイレのタンク内で水が止まらない原因として、フロートバルブの問題が考えられます。
    フロートバルブが上昇しきらない状態が続くと、タンク内の水が止まらず溢れ続けてしまいます。
    経年劣化によるフロートの浮力低下や、水垢やカルキなどの汚れがフロートバルブに付着して動きを妨げてしまうのです。

    フロートがオーバーフロー管と接触していると、フロートが適切な位置まで上昇できず水が止まらなくなってしまいます。
    さらにフロートバルブとレバーを連結するアームが変形していると、水位制御機能が正常に働かず、水が止まらない原因となります。

    【原因2】給水バルブの故障

    給水バルブの故障も、トイレタンクの水が止まらない原因のひとつです。
    給水バルブのゴムパッキンやシール部分が劣化すると、バルブが完全に締まらず水が漏れ続けることがあります。

    給水バルブ内部に異物や水垢が詰まると、バルブが適切に閉じられなくなり水漏れを引き起こします。
    水圧の変動や急激な圧力変化によって給水バルブの弁が損傷し、正常な機能を失うケースも少なくありません。

    冬場には、凍結と解凍のサイクルにより給水バルブの内部構造が損なわれて水漏れが発生することもあるでしょう。
    給水バルブのスプリングが弱くなると、バルブを閉める力が不足し、水が止まらない状態になってしまうのです。

    【原因3】パイプや配管の詰まり

    トイレの水が止まらない問題は、配管の詰まりが原因のケースもあります。
    配管内に髪の毛やトイレットペーパーなどが詰まると、水の流れが阻害され、正常な排水ができなくなるのです。

    配管内部にカルキやミネラル分が蓄積すると、水の流れを妨げて適切な排水機能が損なわれます。
    ゴムや金属配管が経年劣化すると内部に微小な亀裂が生じ、そこから水が漏れ続けることがあります。
    配管の接続部分にシール不良や緩みが発生した場合も水が漏れ続け、修理が必要になるケースがあるでしょう。

    サイフォン作用が正常に機能しなくなると、タンクから便器への水の流れが継続的になり、水が止まらない現象が起こることもあります。

    【原因4】ボールタップの不具合

    ボールタップの不具合も、トイレの水が止まらない原因となります。
    ボールタップの内部のメカニズムに摩耗が生じると、水の供給を適切に制御できなくなり、水漏れを引き起こしてしまうのです。
    ボールタップのダイヤフラムやシール部分が劣化すると、水が漏れだしてしまいます。

    水に含まれる不純物がボールタップ内に堆積すると、正常な開閉動作が妨げられ、水が止まらなくなることがあります。
    ボールタップのレバーやアームが変形すると、水位を正確に感知できなくなり、水の供給が過剰になってしまうのです。
    高水圧環境下でボールタップに過剰な負荷がかかると、部品の損傷を招き、水が止まらない原因となります。

    トイレの水が止まらないときの基本的な対処法

    トイレの水が止まらないときの基本的な対処法を見ていきましょう。
    水が止まらない状況に直面したとき、迅速かつ適切な対応が求められます。

    原因 対策
    フロートバルブの不具合 フロートバルブの位置調整 汚れを拭き取る
    給水バルブの故障 給水バルブの点検・修理 必要なら交換
    配管の詰まり 配管の清掃 専用の工具で詰まりを取り除く
    ボールタップの不具合 ボールタップの動作確認 部品交換

    【対処法1】水道の元栓を締める

    緊急時には便器下部または壁面にある元栓を時計回りに回し、まず水の供給を止めましょう。
    元栓を完全に閉めることでトイレタンクへの給水が停止し、水漏れによる被害拡大を防止できます。

    元栓が硬くて回しにくい場合は、ゴム手袋やタオルを使用すると滑りにくく回しやすくなるためおすすめです。
    元栓の場所は一般的に便器横の壁面か床面に設置されていますが、建物の構造によって設置位置が異なる場合もあります。
    元栓を閉めても水が止まらない状況では、建物全体の総元栓を閉める必要があるかもしれません。

    【対処法2】フロートバルブの位置調整

    フロートの位置が低すぎる場合は、調整ロッドを回してフロートを上方に移動させ適切な水位で止まるよう調整します。
    調整ネジを使用して、フロートが適切な水位で給水を止めるよう設定し直すことで問題が解決する場合も多いです。

    フロートとオーバーフロー管が接触しないよう、フロートの位置を適切に調整することが重要です。
    フロートアームが曲がっている場合は、慎重に真っ直ぐに戻して正常な動作を回復させることができます。
    調整後はタンクに水を給水し、設定した水位で適切に停止するかテストを行いましょう。

    【対処法3】給水バルブの点検

    給水バルブ周辺の水垢や汚れを柔らかい布で丁寧に拭き取り、動作を阻害する要因を除去しましょう。
    給水バルブを分解して内部のゴムパッキンや弁の状態を確認し、劣化が見られる場合は新しいものと交換しましょう。

    給水バルブ内部に詰まった異物を取り除くため、小さなブラシや歯ブラシを使って丁寧に清掃します。
    給水バルブを再組み立てする際は、部品の向きや位置に細心の注意を払いましょう。
    給水バルブの修理が難しいと判断した場合は、互換性のある新しいユニットへの交換を検討するのも一つの選択肢です。

    【対処法4】パイプの清掃と点検

    重曹1カップと酢1カップを混ぜて配管に流し、15分後に熱湯を流すことで軽い詰まりを解消できることがあります。
    市販のパイプクリーナーを使用する場合は、製品の指示に従い適切な量と放置時間を守ることが効果的です。

    ラバーカップ(すっぽん)を使って水圧で詰まりを押し流す方法も、多くの場合で効果が期待できます。
    蛇腹ホースタイプの排水管クリーナーを使用すれば、物理的に詰まりを取り除くことが可能です。
    配管のジョイント部分に緩みがないか確認し、必要に応じて締め直しや部品交換を行いましょう。

    具体的な修理方法|自分でできる修理と修理業者の選び方

    故障だと感じた場合の具体的な修理方法について見ていきましょう。
    状況に応じた適切な修理方法と、専門家に依頼するタイミングを把握しておきましょう。

    自分でできる修理

    フロートバルブの清掃には歯ブラシとお酢の溶液を使用すると、カルキや水垢を効果的に除去できます。
    ボールタップやフロートバルブのパーツ交換は、ホームセンターで購入できる汎用部品で対応可能な場合が多いです。

    給水管の接続部にテフロンテープを巻くことで、微小な水漏れを防止することができます。タンクの水を完全に抜いてから作業を行うと、修理がしやすくなるだけでなく水浸しになるリスクも軽減できます。
    簡易的な修理キットを使用する場合は、トイレのメーカーや型番に合ったものを選びましょう。

    業者に依頼するタイミング

    内部構造が複雑な最新型のトイレは、専門知識がないと修理が難しいため早めに業者へ依頼することをおすすめします。
    水漏れが止まらず床や天井にまで被害が及ぶ可能性がある状況では、即座に修理業者に連絡すべきでしょう。

    適切な業者選びについて、以下のポイントがあります。

    • 複数の修理業者から見積もりを取り、料金体系を比較する
    • 対応の丁寧さや説明の分かりやすさを重視する
    • 保証内容を確認し、アフターフォローが充実しているかチェックする
    • 口コミや評判を参考にする
    • 24時間対応可能かどうかを確認する

    地域で実績ある水道修理業者や、メーカー認定の修理業者を選ぶと安心感が高まります。
    深夜や休日の緊急対応が可能な業者のリストを事前に準備しておくと、いざというときに迅速に対応できるでしょう。

    トイレの水が止まらない原因を防ぐための予防法

    トイレの水が止まらない原因を防ぐための予防法を紹介します。
    日頃からの予防措置によって、トラブルを未然に防ぐことが可能です。

    定期的な点検とメンテナンス

    3ヶ月に1回程度、タンク内部のフロートや給水バルブの動作を確認することで不具合を早期に発見し対処できます。
    タンクの水を抜いて内部を観察し、部品の劣化や変形がないか定期的にチェックする習慣をつけましょう。

    フロート周辺の水垢は半年に一度程度、クエン酸や食酢を使って除去するとトラブル予防に効果的です。
    ゴムパッキンやシール部品は2〜3年を目安に予防的な交換を検討すると、突然の故障リスクを減らせます。
    トイレの使用年数が10年を超える場合は、主要部品の一斉交換や本体の更新も視野に入れた方が良いでしょう。

    水道の元栓の確認

    普段使わない元栓は固着することがあるため、半年に一度は開閉動作を確認しておくと緊急時にスムーズに対応できます。
    水圧が高すぎる住宅では減圧弁を設置し、バルブやフロートへの負担を軽減することが長寿命化につながります。

    元栓のハンドル部分にサビや腐食が見られる場合は、専門業者に交換を依頼した方が安全です。
    元栓の場所と操作方法を家族全員が把握しておくことで、緊急時に誰でも対応可能になります。
    長期不在となる場合には元栓を閉めておくと、留守中の水漏れによる被害を未然に防止できるでしょう。

    清掃を怠らない

    トイレタンク内部は年に2回程度、水垢除去剤や食酢を使って清掃すると部品の動作不良を予防できます。
    便器と床の接合部は湿気がたまりやすいため、定期的に乾拭きして清潔に保つことが漏水防止につながります。

    水道水に含まれるミネラル分がバルブに付着すると動作不良の原因になるため、定期的な清掃が長期的な視点で重要です。
    掃除用ブラシやスポンジは専用のものを用意し、他の用途と混用しないよう気をつけましょう。
    トイレ洗剤を使用する際は、ゴム部品を劣化させない中性タイプを選ぶことがトラブル防止のコツとなります。

    【まとめ】トイレの水が止まらない場合は専門業者に相談を

    トイレの水が止まらない問題は、適切な知識と道具があれば自分で解決できる場合も多いです。
    まずは冷静に原因を特定し、状況に応じた対応策を実行しましょう。

    継続的な水漏れは、月々の水道料金を大幅に増加させる可能性があるため、早めの対処が大切です。
    配管に亀裂がある場合や複数の部品が同時に故障している場合、修理を試みても問題が解決しない場合や、トイレ本体が古く修理よりも交換が経済的と判断される場合などは、自分で修理せずにプロに依頼することをおすすめします。

    トイレ本体の交換が必要になった場合は、自治体の水回り設備更新補助金や省エネ住宅ポイントなどの制度を活用すると費用負担を軽減できます。
    自力での解決が難しい場合は、信頼できる修理業者に依頼し、必要に応じて交換しましょう。