タンクレストイレの価格・工事費用を徹底解説!メリットと注意点も紹介

洗練された住空間を演出しながら機能性も両立したタンクレストイレが、近年多くの住宅で人気です。
本記事では、タンクレストイレの基本概念から具体的な設置費用まで、導入を検討する際に役立つ情報を幅広く解説します。
目次
タンクレストイレとは?
タンクレストイレに関する基本的な情報から従来型との違い、仕組みまでを詳しく解説します。
タンクレストイレの基本概念
タンクレストイレは水道管からの水圧で便器を直接洗浄するシステムです。
給水タンクを持たず、水道管から供給される水の圧力を利用して洗浄を行います。
デザイン性と機能性を両立した製品ラインナップが豊富に揃っています。
タンクレストイレと従来のトイレとの違い
タンクレストイレと従来型トイレの最大の違いは、水を貯めておくタンクの有無です。
従来型トイレはタンク内に溜めた水を重力の力で便器に流す仕組みであるのに対し、タンクレスは水道管から直接高圧で洗浄水を供給します。
設置方法にも違いがあり、タンクレスは壁や床への取り付け工事が必要です。
タンクがないことで視覚的にすっきりとし、空間を広く見せる効果があります。
タンクレストイレの構造と仕組み
タンクレストイレは水を自動的に供給するシステムが特徴です。
便器内に内蔵された電動ポンプやバルブによって水圧を適切に制御し、洗浄ボタンを押すと電磁弁が開いて直接水を便器に送り込みます。
多くの製品では水流を最適化するノズルやフチなしデザインが採用されており、少ない水量でも効率的に洗浄できる仕組みです。
タンクレストイレの特徴とメリット
タンクレストイレの特徴とメリットを見ていきましょう。
省スペースでスッキリしたデザイン
タンクレストイレの最大の魅力は省スペースです。
従来型トイレと比較して奥行きが10~15cm程度少なくなり、狭いトイレ空間に余裕を生み出します。
壁に収まる構造のため床面積を有効活用でき、トイレ空間全体が広く感じられる効果があります。
限られた空間を最大限に活用したい方にとって理想的な選択肢といえるでしょう。
洗練されたデザインと高級感
タンクレストイレは洗練されたデザインと高級感が魅力です。
現代的なインテリアにフィットするシンプルで直線的なフォルムが特徴で、タンクがないことで視覚的な圧迫感が減少します。
光沢のある白を基調としたものから、マットな質感の黒や木目調のアクセントを効かせたものまで、インテリアの一部として調和する製品が多く展開されています。
節水効果と省エネ効果
タンクレストイレは、節水効果も大きなメリットです。
最新モデルでは1回あたり4~5リットル程度の洗浄水量で済むものが多く、従来型(8~13リットル)と比較して30~60%もの節水効果が期待できます。
水圧を利用した効率的な洗浄により、少ない水量でもしっかりと汚れを落とせるため、年間で数千円~1万円程度の水道代削減が可能です。
静音性が高い
タンクレストイレは使用中の音が気になりにくい点も魅力です。
洗浄後にタンクへの給水音が発生せず、夜間使用時にもうるさくありません。
最新モデルでは洗浄音も低減する技術が採用されており、防音設計により騒音レベルを大幅に抑制しています。
メンテナンスの簡便さ
タンクレストイレはタンク部分がないため、故障箇所が少ないというメリットがあります。
従来型トイレで多いタンク内部のゴムパッキンなどの劣化による水漏れがなく、タンク内の結露による床の水濡れも発生しません。
最新モデルでは便器表面の汚れが付きにくい加工が施されているものが多く、日常的な清掃の手間を軽減できます。
タンクレストイレのデメリットと注意点
導入前に知っておくべきタンクレストイレのデメリットや注意点についても解説します。
設置には電源が必要
タンクレストイレは電気を使うモデルが主流です。
洗浄ボタンの制御や温水洗浄便座機能の電源として必要となるため、停電時に使用できなくなる可能性があります。
電気代については年間数百円程度と少額ですが、停電時の対策として手動で洗浄できる機種を選んだり、非常用の水をストックしておくなどの準備が望ましいでしょう。
水圧の問題
タンクレストイレは水道の水圧が低いと正常に動作しない場合があります。
マンションの高層階や水圧の低い地域では事前確認が必須です。
一般的に最低0.05MPa以上の水圧が必要なモデルが多く、この条件を満たさない環境では適切な洗浄ができません。
設置前には水圧測定を行い、選択するモデルの要件を満たしているか確認しましょう。
初期費用が高い
タンクレストイレは従来のタンク付きトイレと比べて価格が高めです。
本体価格は一般的に15万円~50万円程度と高額で、高機能モデルほど価格が上昇します。
設置工事費用も含めると総額20万円以上になることも少なくありません。
温水洗浄機能やオート洗浄、脱臭機能などのオプション機能を追加すると、さらに費用が増加します。
故障時の修理が難しい
タンクレストイレは故障時の修理に専門知識が必要な場合があります。
内部構造が複雑で部品が特殊なため、一般的な修理業者では対応できないことも少なくありません。
電子部品のトラブルは自己解決が難しく、専門業者への依頼が必須となる場合が多いでしょう。
タンクレストイレの設置にかかる費用
タンクレストイレ導入時の費用について詳しく解説します。
本体の価格
タンクレストイレ本体の価格帯は幅広く、機能やデザインによって大きく異なります。
スタンダードモデルは15万円~30万円程度が相場で、高機能モデルになると30万円~50万円以上することも珍しくありません。
同等機能でもブランドによって数万円の違いが生じることがあります。
取り付け工事費用
タンクレストイレの設置にかかる工事費用は、基本工事費が3万円~8万円程度が相場です。
これに加えて以下の作業が増えると、数千円から数万円の追加費用が発生します。
- 既存トイレの撤去費用
- 配管工事
- 床や壁の補修工事
地域や業者によって工事費用に差があるため、複数の業者から見積もりを取得して比較することをおすすめします。
電気工事の必要性
タンクレストイレの多くは電源が必要なため、トイレ内にコンセントがない場合は電気工事が必要です。
壁内配線工事が必要な場合は1万円~3万円追加されることがあります。
漏電遮断器の設置が必要なケースもあるため、事前に確認が必要です。
ヒートショックが発生しやすいシチュエーション
項目 | 費用の目安(税抜) |
---|---|
本体価格(標準型) | 20~50万円 |
本体価格(高級型) | 50~100万円 |
設置工事費用 | 5~10万円 |
電気工事費用(必要な場合) | 1~5万円 |
タンクレストイレの設置方法と流れ
タンクレストイレを設置する前には、いくつか確認すべき重要事項があります。
適切な準備をしておくことでスムーズな設置につながります。
設置前の確認事項
タンクレストイレ設置前の確認事項を見ていきましょう。
温水洗浄機能用の電源確保は必須で、コンセントがなければ電気工事が必要です。
排水・給水管の位置と口径も重要で、既存品と合わなければアダプターや配管工事が必要になります。
水圧は0.05MPa以上必要で、不足時は加圧ポンプの設置を検討してください。
業者依頼の際のポイント
タンクレストイレ設置業者選びのポイントは、複数業者から見積もりを比較することです。
メーカー直営サービスは製品知識が豊富で保証が手厚いですが、費用は高めです。
施工実績や資格保有も確認しましょう。アフターサービスの内容や保証期間、対応範囲も事前確認が必要です。
工事は通常半日~1日ですが、追加工事があると長引くため、トイレ使用不可期間を把握しておきましょう。
設置作業の流れ
まず既存トイレの撤去と清掃を行います。
排水・給水管の接続と調整を行い、必要に応じて床や壁の補修も行います。
本体の設置と固定を行い、床にしっかりと固定。電気配線の接続をし、温水洗浄機能が正常に動作するようにします。
最後に洗浄テストと水漏れチェックを実施し、問題なく使用できることを確認して作業完了です。
工事後の注意点
工事完了後のタンクレストイレは、水圧確認と使用前の点検が必要です。
初期不良や異音がないか確認し、少しでも違和感があれば業者に連絡します。
正しい使用方法を家族全員で共有し、保証書や取扱説明書は紛失しないよう大切に保管してください。
定期点検の予定も確認しておくと、トイレを長く快適に使用できます。
タンクレストイレのメンテナンスと長持ちさせるコツ
タンクレストイレを長く快適に使用するためには、日々のお手入れと定期的なメンテナンスが欠かせません、基本的なメンテナンス方法と日常のコツを紹介します。
定期的な点検と掃除の重要性
タンクレストイレを清潔に保つには定期的な点検と掃除が不可欠です。
便器内部は週に1~2回の清掃が理想的で、水垢防止には専用洗剤が効果的です。
ノズルは月1回程度の清掃で衛生的に保ち、フィルター類は3~6ヶ月ごとに清掃しましょう。
定期的なメンテナンスを習慣化することで故障を予防し、タンクレストイレの寿命を延ばせます。
トラブルシューティング
水が流れない時は水栓やバルブの開閉状態、水圧を確認しましょう。
水が止まらない場合は電磁弁の不具合が考えられます。
洗浄力の低下は水圧低下やノズルの詰まりが原因のことが多く、異音は内部機構の不具合や水圧の問題が考えられます。
リモコン操作ができない時は電池切れやセンサー部の汚れをチェックしてみましょう。
簡単な確認で解決しない場合は、無理に対応せずメーカーサポートや専門業者に連絡することが賢明です。
長持ちさせるためのコツ
タンクレストイレを長持ちさせるコツはシンプルです。
中性洗剤を使用し、強酸性・アルカリ性洗剤は避けましょう。
陶器製便器に硬いものをぶつけないよう注意し、トイレットペーパー以外は流さないことが基本です。
水質が硬い地域では定期的な水あか除去を心がけ、リモコンは水濡れから守ってください。
タンクレストイレが向いている人とは?
どのような方にタンクレストイレがおすすめなのでしょうか。
デザイン性を重視したい人
タンクレストイレはモダンでスタイリッシュな空間づくりを重視する方に最適です。
高級感のある住空間を目指す方や、シンプルな直線的デザインを好む方にとって、タンクレストイレは理想的でしょう。
狭いスペースに設置したい人
タンクレストイレはマンションや狭小住宅でトイレスペースが限られている方にもおすすめです。
タンクスペース分(約15cm)を有効活用できるため、限られた空間を最大限に活かせます。
トイレ内に収納を増やしたい方や、開放感のあるトイレ空間を作りたい方にとっても、省スペース性は大きなメリットです。
水道代やエコを意識している人
タンクレストイレは長期的な水道コスト削減を重視する方や、環境負荷を減らす生活を心がけている方にも適しています。
節水とパワフルな洗浄力の両立を求める方にとって少ない水量で効率的に汚れを落とすタンクレストイレは魅力的でしょう。
高機能トイレを求める人
タンクレストイレは自動洗浄や温水洗浄といった快適機能を重視する方におすすめです。
清掃性に優れたフチなし設計や、消臭機能、除菌機能など衛生面を重視する方にとっても理想的です。
騒音を抑えたい集合住宅居住者や、掃除の手間を減らしたい方にとっても、メリットが大きいでしょう。
【まとめ】タンクレストイレの導入は事前確認が大切
タンクレストイレは省スペース性やデザイン性、節水効果など多くのメリットがある一方で、初期費用の高さや水圧問題などの注意点もあります。
自分の生活スタイルや価値観、住環境に合わせた選択が重要です。
導入を検討する際は、水圧や電源の確認など設置前の準備を怠らず、複数業者からの見積もり取得や施工実績の確認を行いましょう。
メーカーや機種選びでは、必要な機能を明確にし、予算とのバランスを考慮することが大切です。