【アスファルトシングル】屋根材の特徴は？メリット・デメリットを解説 | 大阪の外壁塗装業者なら創建ペイント(創ペン)

アスファルトシングルは、耐久性とコストパフォーマンスに優れた屋根材として、多くの住宅に採用されています。
特に、デザイン性や施工の容易さ、そして比較的手頃な価格であることから人気がありますが、一方でデメリットも存在します。

アスファルトシングル屋根材が適しているかどうかを判断するためには、特徴や利点、欠点をしっかり理解しておくことが大切です。
この記事では、アスファルトシングル屋根材の特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

この記事の監修者

創建ペイント
谷口 知史

・2級建築士
・一般建築物石綿含有建材調査者

現場管理として20年間、在来木造住宅と2×4住宅や住宅リフォームの現場管理を経て、建築業界の知識と経験を深めてきました。
株式会社創建に入社後、創建ペイントの外壁塗装の現場管理に従事し、戸建住宅を中心に商業施設や大型マンションなどの現場フォローも担当しています。

アスファルトシングルってどんな屋根材？基本的な特徴を解説

住宅の屋根材選びにおいて、建物への負担軽減と美観の両立は重要な検討ポイントです。
両方を満たす屋根材として、新築からリフォームまで幅広い場面で採用されています。
基本的な特徴から、選択する際のポイントまでを解説します。

アスファルトシングルの構造と材質

アスファルトシングルは、3層構造を採用したシート状の屋根材です。
ガラス繊維を基材とし、高い強度と耐久性を実現しています。
アスファルト層は防水性に優れた改質アスファルトを使用し、基材への含浸、コーティング処理を施しています。

製品の厚みは一般的に4~6mm程度と薄く、1平方メートルあたりの重量も10kg前後と軽量です。
表面には砂や石粒による保護層が設けられ、耐候性と防水性を向上させています。

アスファルトシングルの形状と種類

一般的な製品形状は長方形や六角形のタイル状で、幅33～34cm、長さ98～100cm程度のサイズが主流です。
粒状着色石による立体的な表情付けが特徴で、色調についても標準的なグレーやブラウンから、鮮やかなレッドやグリーンまで豊富に揃っています。

和風・洋風のどちらの建築様式にも対応可能で、建物の外観イメージに合わせた選択が可能です。
最新の製品では、遮熱性能を高めた特殊コーティング仕様も登場し、機能面での進化も続いています。

アスファルトシングルの歴史と普及

アスファルトシングルは1900年代初頭にアメリカで開発され、軽量かつ経済的な屋根材として普及しました。
全米では、約8割の住宅屋根でアスファルトシングルが使用されています。

日本では、1950年代に現在の田島ルーフィングが米国から技術を導入し、日本での製造を開始しました。
施工性の良さと比較的安価な価格帯が支持を集めています。
最近では、建材コストの高騰により、従来のスレートからアスファルトシングルへの転換が進んでいます。

アスファルトシングルのメリット・デメリットを徹底比較

屋根材選びは住宅の耐久性や資産価値に直結する重要な判断です。
アスファルトシングルのメリットとデメリットを詳しく解説します。

アスファルトシングルの主なメリット

アスファルトシングルの最大の特徴は軽量性です。
1平方メートルあたり10kg前後という重量は、瓦屋根の5分の1程度であり、建物への負担を大幅に軽減できます。
地震対策としても有効で、木造住宅と相性抜群です。

材料が軽くて扱いやすいので施工もしやすく、工期の短縮も期待できます。
標準的な住宅であれば5日～1週間程度で工事が完了します。
デザインや色も豊富で、建物の外観イメージを自由に演出できる点も大きな魅力です。

値段も手頃で、材料と工事を含めて1平方メートルあたり1万円～2万円程度と、他の屋根材と比べても安く済みます。
メンテナンス費用も比較的抑えられます。

アスファルトシングルの主なデメリット

耐用年数は一般的に10年～30年程度と、瓦屋根（40年以上）と比較すると短めです。
強風や雹（ひょう）による損傷を受けやすく、台風の多い地域では注意が必要です。

経年劣化による色あせや反りも課題となります。
特に日照の強い南面では、10年程度で色調の変化が目立ち始めることがあります。
夏場の遮熱性能については、専用コーティングを施していない一般的な製品では、他の屋根材に劣ることもあるでしょう。

他の屋根材との比較

アスファルトシングルと他の屋根材の違いを表にまとめました。

アスファルトシングルは高い防水性や工事のしやすさが特長です。
軽い材料のため運び作業が楽で、加工も簡単です。
紫外線から屋根を守り、15～30年ほどの耐久性を備えています。

ただし、強い風には弱いため、海辺での使用には不向きです。
施工できる業者も限られています。
建物の立地や条件に合わせて検討しましょう。

アスファルトシングルの施工方法と注意点

アスファルトシングルの長期的な耐久性を実現するには、正しい手順と細かな配慮が欠かせません。
施工の基本的な流れと、見落としがちな注意点について説明します。

アスファルトシングルの基本的な施工手順

標準的な施工手順を見ていきましょう。
まず防水シートを下地に敷設し、その上にスターターと呼ばれる始端部材を取り付けます。
次に、シングル材を下から順に重ねながら釘打ちで固定し、最後に棟部分を専用材で仕上げます。

重要なポイントは重ね代の確保です。
一般的に10cm以上の重なりを設けることで、防水性を確保します。
釘打ちの位置や本数も製品ごとに指定があり、厳守することで耐風性が保たれます。

施工時の注意点とコツ

気温条件は施工品質の重要なポイントです。
10度以下の低温時は材料の粘着力が低下するため、作業を避けるべきでしょう。
雨天時の施工は防水性に影響を及ぼすため、晴れの日を選んで実施します。

製品ごとに重ね幅や釘打ちパターンが異なるため、メーカー指定の施工要領を厳守することが重要です。
特に谷部分や壁際の納まりは、漏水リスクが高い箇所となるため、入念な施工が求められます。

DIY施工の可能性と難易度

基本的な構造はシンプルで、DIY施工も技術的には可能です。
しかし、防水性や耐久性に直結する重要な工事であり、専門的な知識と経験が必要です。
高所作業による危険性も考慮し、基本的には専門業者への依頼をおすすめします。

アスファルトシングルのメンテナンス方法と耐用年数

アスファルトシングルを長持ちさせるには、定期的な点検と適切な手入れが欠かせません。
早めの対応で耐用年数を伸ばすことができ、修理費用も抑えられます。
一般的な点検方法と、不具合が見つかった時の対処法、さらに寿命を延ばすコツを紹介します。

日常的なメンテナンス方法

定期的な目視点検が最も重要です。
年2回程度、特に台風シーズン前後での点検を推奨しましょう。
破損や剥がれ、著しい色あせなどの劣化サインを早期に発見することで、大規模修繕を防ぐことができます。

落ち葉や枝などの堆積物は定期的に除去する必要があります。
ただし、高圧洗浄は表面の石粒を剥がす原因となるため避けるべきです。
清掃が必要な場合は、柔らかいブラシを使用して、優しい洗浄を心がけましょう。

補修や交換のタイミング

部分的な破損や剥がれは、専用の補修キットでの対応が可能です。
ただし、広範囲の劣化が見られる場合や、築20年以上経過している場合は、屋根全体の葺き替えを検討する時期となります。

• 表面の石粒が大量に剥落している
• 複数箇所でめくれや変形が発生
• 室内への漏水が確認される
• 施工後20年以上が経過

こうした状態が見られる場合は、全面葺き替えを検討しましょう。

耐用年数を延ばすためのポイント

適切なメンテナンスにより、標準的な15～30年という耐用年数を延ばすことが可能です。
樹木の枝が屋根に接触すると表面を傷つける原因となるため、定期的な剪定を行いましょう。

雨どいの清掃も重要なポイントです。
詰まりによる雨水の滞留は、端部からの浸水リスクを高めます。
特に落葉の多い時期は、月1回程度の点検清掃が推奨されます。

アスファルトシングルに関するよくある質問

アスファルトシングルに関するよくある質問と回答をまとめました。
アスファルトシングルを検討する際の参考にしてみてください。

【Q1】アスファルトシングルは火災に弱いって本当？

アスファルトシングルは可燃性材料を含むため、セラミック製の瓦や金属屋根と比較すると耐火性は劣ります。
ただし、現在は改良された製品が増加しており、一定の防火性能を確保しています。

建築基準法における防火地域や準防火地域での使用には制限があるため、建築計画時に確認が必要です。
また、煙突周りなど高温となる部分では、専用の防火材料との併用をおすすめします。

【Q2】アスファルトシングルの価格相場はどのくらい？

材料費は1平方メートルあたり5,000～8,500円程度です。
スレートと比較すると若干高めといえるでしょう。

ただし、屋根の形状や勾配、使用する製品のグレード、工事の難易度などによって価格は変動します。
具体的な費用が知りたい場合は、見積もりを取ることをおすすめします。

【Q3】アスファルトシングルの色あせは防げる？

アスファルトシングルは、表面の石粒自体に色がついているため色落ちの心配が少なく、一般的に塗装は不要です。
塗装すると表面の凸凹を埋めてしまい、製品の特性を損なう可能性があります。

定期的な点検を行い、必要に応じて専門家に相談することが望ましいです。
塗装よりも、適切な清掃や点検による予防的なメンテナンスが重要です。

塗装を検討する場合は、水性塗料を使用しましょう。
艶消し塗料を選び、油性塗料はアスファルトが溶け出す可能性があるため使用できません。

まとめ

アスファルトシングルは軽さとデザイン性を備えた現代的な屋根材です。
重さが瓦の5分の1ほどと軽く、地震にも強いため、木造住宅に適しています。
工事期間も短く、価格も手頃なのが特徴です。
使用場所や建物の条件に合わせて選び、専門家による正しい施工を行えば、安心して使える屋根材といえるでしょう。

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