モニエル瓦の塗装はいつ行う?タイミングから費用相場まで解説
屋根を飾るモニエル瓦の美しさを長持ちさせたいですよね。
しかし、塗装のタイミングや方法が分からないと、逆に瓦を傷めてしまうこともあります。
本記事では、モニエル瓦の塗装に最適なタイミングや、費用の相場、さらには塗装前に知っておくべき劣化のサインなどを分かりやすく解説します。
モニエル瓦の屋根の美しさを守り、不動産価値を高めるための秘訣を知りたい方は、ぜひご一読ください。
モニエル瓦とは?
屋根の材料として多く使用されてきたモニエル瓦。
モニエル瓦について、特性や塗装すべきタイミング、そして「もし塗装しないとどうなる?」について詳しく解説していきます。
モニエル瓦=乾式コンクリート瓦
モニエル瓦は、乾式コンクリート瓦とも呼ばれており、屋根材として広く使われてきました。
セメント瓦の一形態として扱われることもありますが、砂利を含む成分が特徴で、そのため小口が凸凹しているのが一目でわかります。
瓦表面の処理は通常のセメント瓦と異なり、着色スラリーが厚めに塗られた上に、アクリル樹脂系のクリアー塗料で保護されています。
このような特殊な表面処理により、施工性の良さや耐水性の高さなど、多くの長所を有しているのがモニエル瓦です。
ただし、再塗装を行う際には、スラリー層を除去する必要があり、注意が必要です。
ちなみに、モニエル瓦は日本モニエル株式会社によって製造されていたものの、現在はその会社は存在せず、モニエル瓦自体の入手は困難になっています。
モニエル瓦の塗装頻度
モニエル瓦の塗装は、使われている環境や劣化の状況に応じて行うべきですが、一般的には10年から15年を目安に塗装を行うことがおすすめです。
定期的な塗装によって、モニエル瓦の耐水性を維持し、外観の美しさを保つことが可能になります。
こうしたメンテナンスを怠ると、屋根の寿命を縮めるだけでなく、不動産価値にも影響を及ぼしかねません。
モニエル瓦を塗装しないとどうなる?
モニエル瓦を塗装しないまま放置すると、瓦のひび割れや剥離が進行し、最悪の場合は漏水や大規模な修理を招くことになります。
塗装によって瓦を守り、色あせや劣化を防ぐことは、屋根の機能を維持する上で非常に重要です。
また、外観の美しさを維持することは、住まいの印象を良好に保つためにも大切です。
塗装すべきタイミング?!モニエル瓦の劣化症状
モニエル瓦の美しさを保ち、建物を守るためには、適切なタイミングでの塗装が不可欠です。
劣化の兆候を見逃さず、早期のメンテナンスが重要となってきます。
ここでは、モニエル瓦の劣化症状について症状別に解説していきましょう。
劣化症状 | 影響 | 対処法 |
---|---|---|
色褪せ | ・美観の低下 ・防護機能の低下 |
・再塗装 |
コケやカビの繁殖 | ・防水機能の低下 ・さらなる劣化の加速 |
・高圧洗浄後の再塗装 |
ひび割れ | ・漏水リスクの増加 ・ひび割れ箇所の補修 |
・塗装 |
塗膜の剥離・チョーキング | ・コンクリートの露出 ・雨水の侵入 |
・塗装による塗膜の再形成 |
瓦のずれ | ・隙間からの雨漏り | ・瓦の再調整と固定 |
漆喰の割れ・滑落 | ・屋根全体の防水機能低下 | ・漆喰の補修と塗装 |
防水シートの劣化 | ・屋根全体の防水機能低下 ・屋根の葺き替え |
・防水シートの交換 |
色褪せ
年月と共に屋根に生じる色褪せは、モニエル瓦の塗装が必要なサインの一つです。
紫外線や雨風に晒され続けることで、徐々に発色が薄れていく現象が見られます。
一般的には約10年が経過すると色褪せがよくみられるようになります。
美観を損ねるだけでなく、瓦自体の防護機能の低下も招くものです。
塗装を塗り直すことによって、屋根は再び新しい姿を取り戻すことができるでしょう。
コケやカビの繁殖
屋根にコケやカビが目立ち始めたら、防水機能が低下している証拠です。
年月が経つと共に劣化が進むと、モニエル瓦の表面は微生物の温床となりやすくなります。
コケやカビなどが繁殖することで、瓦は脆弱になり、さらなる劣化を加速させるため、早急な対策が求められるところです。
塗装の塗り直しをする際には、コケやカビは高圧洗浄で落とします。
ひび割れ・割れた部分の滑落
モニエル瓦の塗膜が損なわれると、水分を吸収しやすくなります。
水が瓦内部に浸透すると、セメントが水を吸って膨張。また、乾燥すると今度は収縮します。
膨張と収縮が繰り返されることで、ひび割れが発生しやすくなる、というわけです。
ひび割れを放置すると、割れた部分が滑落し、そこから雨漏りなどの不具合が発生することでしょう。
定期的な塗装で防水性を回復させ、ひび割れのリスクを減らすことが大切です。
塗膜の剥離・チョーキング
塗膜が劣化し、塗膜剥離やチョーキング現象が発生することもあります。
塗膜剥離やチョーキング現象が起こると、コンクリート本体が露出し、雨水の侵入を許しやすくなります。
剥離が進めば、瓦が割れやすくなるため、早めの塗り替えが必要です。
塗装によって塗膜を新たに形成すれば、屋根を守ることができるでしょう。
瓦のずれ
地震や強風などの自然災害は、モニエル瓦の位置をずらすことがあります。
瓦がずれると隙間ができ、そこから雨漏りが発生するリスクが高まります。
定期的な点検と、必要に応じた修理で、瓦のずれは早急に直しましょう。
漆喰の割れ・滑落
屋根の棟部分を保護する漆喰が割れたり、滑落したりすることもあります。
漆喰の劣化は地上からは見えにくいこともあり見逃されがちですが、屋根全体の防水機能に大きく影響します。
定期的に漆喰の状態をチェックし、必要ならば補修を行いましょう。
防水シートの劣化
瓦の下にある防水シートも、瓦の劣化に伴って損傷することがあります。
防水シートが劣化しているときは、屋根の葺き替えも視野に入れましょう。
塗装や補修などで瓦を適切にメンテナンスすることは、防水シートの劣化を防ぐことにも繋がります。
モニエル瓦の形状まとめ
屋根の素材として知られるモニエル瓦は、形状によって様々な特徴を持ちます。
建築物のデザインや地域の気候に合わせて選ばれることが多く、それぞれの形状がどのような特性を持つのかを理解することは、適切なメンテナンスを行う上でも重要です。
ここでは、モニエル瓦の代表的な形状を4つご紹介しましょう。
- 【和型】曲線的で日本の伝統的な美しさを再現
- 【洋型】直線的でシンプルなデザイン
- 【平型】平らな形状はシンプルかつ現代的
- 【S型】波打つ形状で陰影を作り出す
和型
和型モニエル瓦は、日本の伝統的な屋根の美しさを再現するために設計されています。
和型瓦は、一般的に曲線的な形状をしており、和風建築に調和するように作られています。
また、見た目の美しさだけでなく、雨水を効率的に流すことができる機能性も備えているものです。
屋根の勾配や建物のスタイルに応じて、さまざまなサイズや色で製造されています。
和風の家屋だけでなく、和モダンなデザインの住宅にも取り入れられることがあります。
洋型
洋型モニエル瓦は、西洋風の建築物に適したデザインが特徴です。
直線的なラインとシンプルな形状が、モダンでスタイリッシュな外観を演出します。
また、洋型瓦は風雨に強く、耐久性に優れているため、機能性を重視する方に選ばれることが多い型です。
屋根の形状に合わせて様々なカラーバリエーションが用意されており、建物の外観に合わせて自由に選ぶことが可能です。
平型
平型モニエル瓦は、その名の通り平らな形状が特徴です。
シンプルなデザインが現代的な住宅にマッチし、スタイリッシュな印象を与えます。
平型瓦は、水の流れをスムーズにする設計がされており、雨水の排水性能に優れています。
また、重なり合う部分が少ないため、重量が軽減され、屋根の負担を減らすことができるメリットにも注目です。
S型
S型モニエル瓦は、波打つような形状が特長で、屋根に独特の陰影を作り出します。
S型モニエル瓦は、デザイン性と機能性を兼ね備えており、屋根にアクセントを加えたい場合に適しています。
S型瓦は、水の流れを誘導する形状により、雨水の排水効率を高めることができるのもポイントです。
また、独特の形状により、屋根に立体感を与え、建物全体の魅力を引き立てる効果が期待できることでしょう。
モニエル瓦を塗装する流れ
屋根の塗装は、手順を正しく踏むことで、美しい仕上がりと耐久性の向上を得ることができます。
特にモニエル瓦のような特殊な素材を使用した屋根では、専門的な知識と技術が求められます。
ここでは、モニエル瓦の塗装を行う際の一連の流れについて、順を追ってご紹介しましょう。
【1】足場の組み上げ
安全かつ効率的に屋根塗装を行うためには、まず適切な足場の設置が不可欠です。
作業員が安心して作業を行える環境を整えることで、事故のリスクを大幅に減らすことができるのです。
なお、足場の組立てには専門知識が必要であり、「足場の組立て等作業主任者」の資格を持つ専門家が現場で指揮を執ります。
【2】近隣住宅への飛散対策
塗装工事においては、近隣住宅への配慮も欠かせません。
特に高圧洗浄を行う際には、汚水が周囲に飛散することがあります。
汚水の周囲への飛散という不測の事態を防ぐために、事前に飛散防止用のシートなどで養生を行い、周辺への影響を最小限に抑える対策を講じることが大切です。
【3】汚れやスラリー層の徹底した洗浄
モニエル瓦の塗装では、汚れや古いスラリー層を高圧洗浄で完全に除去することが重要です。
経年劣化したスラリー層が残っていると、新たな塗膜も剥がれやすくなるため、洗浄の工程には特に注意が必要となります。
徹底的な洗浄は、塗装の持続性を高めるための土台をつくる、というわけです。
【4】下地処理
塗装前の下地処理は、塗膜の密着を良くし、仕上がりの品質を向上させるために不可欠です。
軽微なひび割れは防水テープや接着パテなどで補修し、深刻な破損がある場合は、新しいモニエル瓦に交換します。
ただし、2023年現在、モニエル瓦の入手は非常に難しく、一般の人にはほぼ入手不可能と言って良いでしょう。
もし、交換が必要な場合は専門業者に相談することをおすすめします。
【5】下塗り
下塗りは、塗装の基礎となる工程であり、上塗り材の密着を促進します。
モニエル瓦の場合、下塗りの塗料にはエポキシ系のシーラーなど浸透性に優れたものが使われることが多いようです。
また、洗浄で落とし切れなかった古いスラリー層を安定させるための専用塗料が使用されることもあります。
下塗りによって、塗装の耐久性が向上し、長期にわたる保護効果が期待できるでしょう。
【6】モニエル瓦に対応した塗料で上塗り(1回目)
モニエル瓦に対応した塗料を使用し、1回目の上塗りを行います。
モニエル瓦に対応していない塗料を用いると、せっかく塗っても早期に劣化するなど施工不良を起こすので注意が必要です。
適切な塗料選びは大変重要であり、専門的な知識を必要とするところと言えるでしょう。
なお、弊社創建ペイントでは、屋根塗装にはモニエル瓦などのセメント瓦にも対応している「エスケープレミアム無機ルーフ」などが用意されています。
【7】モニエル瓦に対応した塗料で上塗り(2回目)
1回目の上塗りののち、2回目の上塗りを行います。
繰り返しの上塗りにより、色の鮮やかさや光沢が増し、屋根の美観も長持ちしますし、塗膜の保護機能も強化され、屋根の耐久性も向上することでしょう。
モニエル瓦塗装に関するよくあるQ&A
モニエル瓦の塗装についてわからないことがある方のために、ここでは、よくある質問と回答をご紹介します。
モニエル瓦塗装には、専門的な知識が求められる作業であるため、正確な情報を得て適切な判断をすることが重要です。
モニエル瓦は自力(DIY)で塗装できますか?専門業者に依頼すべきですか?
モニエル瓦の塗装の際には、特有の性質を考慮する必要があり、専門的な技術をいくつも必要とします。
例えば、塗装前には古いスラリー層の適切な除去が不可欠で、除去が不十分だと塗膜の剥がれが早まるリスクが高まります。
また、適切な塗料を選ばないと、やはり塗装の劣化を加速させることになりかねません。
屋根は高所での作業が必要となり、適切な足場を組むなどといった安全面での配慮も欠かせません。
足場の設置には専門的な技術が求められるため、DIYでの対応は難しいでしょう。
加えて、モニエル瓦は現在生産されておらず、交換の必要が生じるような破損があった場合でも、入手はかなり困難です。
以上のような理由から、モニエル瓦の塗装は専門業者に依頼することがおすすめです。
モニエル瓦塗装にはどんな塗料を使うの?
モニエル瓦の塗装には、適切な下塗り用塗料が使用される必要があります。
下塗り用塗料としては、高圧洗浄で取り除き切れなかった古いスラリー層をしっかりと固定する役割を持つ塗料が使われることもあります。
上塗りに使われる塗料も、モニエル瓦に対応したものでなければなりません。
屋根塗装専門の業者ならば、モニエル瓦を含むセメント瓦に適した塗料としてどういうものがあるのか、よく知っていることでしょう。
モニエル瓦の塗装にかかる費用相場は?
一般的な一戸建て住宅の場合、塗装にかかる費用は25〜40万円程度と言われています。
しかし、塗装費用は作業環境やモニエル瓦の劣化状況、使用する塗料のグレードによって変動します。
また、劣化が進んでいる場合や、特に高品質の塗料を使用する場合は、費用が上昇する可能性があることを念頭においておきましょう。
塗装を検討する際には、予算と求める耐用年数のバランスを考慮して、望ましい選択をするようにしましょう。
専門業者に相談し、見積もりを取ることで、具体的な費用を把握することができます。
まとめ
モニエル瓦についての基本的な知識や、代表的な劣化症状や瓦の形状、そしてモニエル瓦を塗装する場合の作業工程について説明してきました。
10〜15年ごとの塗装で耐水性や美観を維持できることや、塗装作業には、専門的な技術と注意が必要であり、専門業者に依頼するのがおすすめです。
屋根塗装や外壁塗装は信頼できる業者選びが大切です。
お住まいのモニエル瓦の塗装に関してご不明点があれば、ぜひ弊社にご相談ください。
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実績例
物件名 | 総戸数 | |
---|---|---|
三田エリア | ルナ三田フラワータウン | 60 |
ルナ三田ウッディタウンあかしあ台 | 82 | |
ルナ三田ウッディタウンわんぱくスクエア | 108 | |
ルナ三田ひばりが丘 | 149 | |
神戸エリア | パークヒル神戸小倉台 | 75 |
ルナ藤原台中町パークフロント | 82 | |
ルナ上津台 | 81 | |
ルナ北六甲116 クルムの街 | 116 | |
西神戸・ 阪神エリア |
ルナ西神中央 | 97 |
ルナ塚口 | 52 | |
ルナ昆陽池公園 | 51 | |
東大阪・ 北摂エリア |
ルナ南摂津 | 80 |
ルナ加納 | 71 | |
ルナ山本 | 57 | |
大阪市内・ 南大阪エリア |
ルナタウン島屋 | 55 |
ルナ城山公園 | 52 | |
ルナ東百舌鳥 | 109 | |
ルナ原山台 | 46 | |
京都エリア | ルナシティ同志社山手 | 237 |
街を拓き、家を建てる。
その先の未来まで考えながら
住まいづくりを積み重ねた結果が、
1万戸超の金字塔に。
商号 |
株式会社 創建 |
---|---|
創立 |
昭和58年3月1日 |
設立 |
昭和61年9月4日 |
資本金 |
8,000万円 |
代表者 |
代表取締役会長 吉村 孝文 代表取締役社長 吉村 卓也 |
執行役員一覧 |
執行役員 大下 憲二 執行役員 岡本 賢二郎 |
本社所在地 |
〒541-0047 |
東京支店所在地 |
〒101-0041 |
売上高 |
151.3億円(令和5年5月期) |
従業員数 |
従業員数 190名 創建グループ総数 343名(令和5年5月期) |
事業内容 |
建売住宅・マンション等の販売/オフィスビル商業施設等の賃貸/ |
大阪府と連携し
ZEHの普及に取り組んでいます
ZEHとは、住宅の高断熱化と省エネルギー設備機器により消費エネルギーを減らしつつ、太陽光発電等によりエネルギーをつくることで、年間で消費する住宅のエネルギー量の収支が概ねゼロとなる住宅のことです。創建・小林住宅ではZEHの普及を進める大阪府の協力事業者として連携協定を締結し、ZEH宿泊体験を提供しています。
本社所在地
本社所在地 |
〒541-0047 |
---|
施工エリア
※別途、交通費が発生する場合があります。
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外壁塗装の参考文献
- 住宅リフォーム推進協議会
https://www.j-reform.com - 住宅リフォーム・紛争処理支援センター
https://www.chord.or.jp/index.html?red_param=220106 - 一般社団法人日本塗装工業会
https://www.nittoso.or.jp - 一般社団法人外壁塗装協会
https://tosouginoushi.com