【被害拡大中】悪質な業者による屋根の無料点検にご注意下さい!悪質業者の見分け方&断り方も解説

近年、屋根の無料点検を装った悪質商法による消費者被害が急増しています。
国民生活センターの統計では2018年~2022年にかけて相談件数が約3.1倍に増加しており、高齢者を中心に巧妙な手口で高額契約を迫る業者が後を絶ちません。
本記事では悪質業者の見分け方や効果的な断り方、正規業者の選び方までを徹底解説します。
目次
屋根の無料点検を装った悪質商法の実態
訪問販売による屋根工事トラブルが急増中です。
特に「無料点検」を装った悪質業者による被害が拡大しています。
急増する屋根工事トラブルの現状
国民生活センターの発表によると、屋根工事の点検商法による相談件数は2018年度に923件だったものが2022年度には2,885件と4年間で約3.1倍に急増しました。
2022年度における点検商法相談全体に占める屋根工事関連の割合は35.4%で最多となり、消費生活センターへの相談件数は前年比533件増を記録しています。
警視庁への屋根工事リフォーム詐欺相談件数も2023年に入り急増しています。
悪質業者の多くは通常乗用車に梯子を積むなど、正規業者とは異なる特徴が確認されているのが現状です。
屋根の無料点検商法の手口
悪質業者はさまざまな手口で消費者を騙しています。
「近所で工事予定がある」と偽って訪問し、ドローン撮影画像や他の家の劣化写真を見せて緊急性を偽造するケースが多発しているのです。
実態として、悪質業者が屋根点検を装い瓦を故意に踏み割ったり、棟板金を工具で無理やり剥がす、カッターやペンチで目立たない場所を破壊するなどの手口が多数報告されています。
点検後に「このままでは雨漏りする」と不安をあおり、即日工事契約を迫る手口が典型的です。
悪質業者の主な手口 | 詳細 |
---|---|
近隣工事の偽装 | 「近所で工事中だから」と訪問し、実在しない工事を口実にする |
緊急性の偽造 | 他家の写真や意図的に破損させた箇所を示し危機感を煽る |
火災保険の不正利用 | 「保険が使える」と偽り、実際には適用外の工事を勧める |
即決の強要 | 「今日だけの特別価格」と偽り、冷静な判断時間を与えない |
被害に遭いやすい人の特徴
消費生活センターの統計によると、戸建て住宅に住む60歳以上が全相談者の80%以上を占めています。
中でも単身世帯の被害率が群を抜いて高いことが判明しています。
台風シーズンや大型連休明けなど、住宅の防災意識が高まる時期には訪問件数が3割増加する傾向があるようです。
災害後の不安な気持ちに付け込んだ勧誘が多い点に注意が必要です。
「無料」という言葉に安心して身分証明書の確認を怠るケースが多く、多くの被害者が業者の実態調査なしに点検を許可しているという実態があります。
点検を許可した後に強引な勧誘が始まるパターンが一般的です。
悪質な屋根点検業者の見分け方とチェックポイント
悪質業者には共通した特徴があります。
見分け方を知ることで被害を未然に防げます。
アポなし訪問には注意
正規業者であれば予約制を採用するのが一般的ですが、悪質業者は予告なしの訪問営業を実施するケースが多いようです。
「地区担当者」を名乗りながら社名入り作業車ではなく普通乗用車を使用し、営業許可証の提示を拒否する特徴が確認されています。
正規の屋根工事業者は専用車両と身分証明書を所持しているため、これらがない業者は要注意です。
悪質業者は午前10時から正午の主婦が在宅しやすい時間帯に訪問活動を集中させていることも特徴的です。
突然の訪問で急かされたと感じたら警戒しましょう。
屋根点検業者を見分けるポイントを参考にしてください。
- 予告なしの突然の訪問
- 社名入り作業車ではなく普通乗用車での来訪
- 身分証明書や許可証の不提示
- 主婦が在宅しやすい午前中の訪問が多い
保証内容を確認する
消費者庁の調査によれば、「今契約すれば半額」など期間限定割引を強調する業者のうち、多くが架空のキャンペーンをでっち上げていることが判明しています。
実際の施工実績写真ではなくCG画像や他社事例を流用し、技術資格を偽造している実態も明らかになっています。
実績写真が不自然に美しかったり、技術資格証が簡単な紙製だったりする場合は要注意です。
「雨漏り保証10年付き」と謳いながら、契約書の細則に「自然災害除外条項」を記載する悪質な契約書を作成していることも分かっています。
保証内容の細部まで確認することが大切です。
費用が安すぎると怪しい
相場価格200万円の工事を50万円で提示するなど、正規価格の25%以下という不自然な値引きをしていることが、多くの事例で確認されています。
異常に安い価格設定には裏があると考えるべきです。
契約書に「追加工事費用発生の可能性」を記載し、最初の見積もり金額から2.3倍の費用を請求するケースなども多発しています。
契約書の細則まで必ず目を通し、追加費用に関する記載がないか確認することが必須です。
現金払いを強要するケースも多く、領収書の発行を拒否する違法行為を伴っていることも明らかになっています。
現金払いや領収書なしの取引は避けるべきです。
悪質業者への効果的な断り方と対処法
悪質業者とのトラブルは後を絶ちません。
効果的な対処法を知り、適切に対応することで被害を防止できます。
突然の訪問には対応しない
警察の実証実験によると、ドアチェーンをかけたままの対応を徹底した場合、悪質業者はすぐに退去する傾向があります。
玄関ドアは完全に開けず、必ずドアチェーンをかけたまま対応することが重要です。
業者に「登録証明書や資格証明書を提示できるか」「公式サイトで登録情報が確認できるか」を確認することで、適法業者と悪質業者を見分けることができます。
悪質業者の中には、証明書を偽造したり、虚偽の説明をするケースもあるため、証明書の内容を公式サイトで照合する方が確実です。
在宅時は常にドアホンカメラを作動させ、会話内容を録音しておくことで、後の被害届提出時に証拠として活用できます。
防犯対策としても有効です。
効果的な断り方
「全ての工事は管理組合が一括対応しています」と伝えると、悪質業者は諦めて退去する傾向があります。
マンションでなくても効果的なフレーズです。
「契約には司法書士の同席が必要」と告げると、詐欺的業者は接触を断念することが多いようです。
第三者の専門家が関与すると伝えることで悪質業者を遠ざけることができます。
「現在警察に相談中です」と伝えるフレーズは、再訪問防止に効果的です。
強引な勧誘に対しては毅然とした態度で断ることが肝心です。
トラブルになった場合の対処法
契約後8日以内なら書面提出でクーリングオフができますが、多くの人がこの制度を知りません。
クーリングオフの権利を理解しておくことが、トラブルから身を守る第一歩です。
公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターのような専門機関に相談すると、被害金額を取り戻せる可能性が高まります。
専門機関や消費生活センターへの相談により、クーリングオフの適用や契約解除、損害賠償請求など、法的に認められた手続きを迅速に進めることが可能です。
悪質業者の車両ナンバーをメモし、警察相談電話「#9110」へ通報することで、あなたの地域の他の人々を守ることにもつながるでしょう。
何かあったときのために証拠を残しておくと安心です。
信頼できる屋根点検業者の選び方
屋根の点検は家の安全と資産価値を守る重要なメンテナンスですが、残念ながら悪質な業者による被害も少なくありません。
信頼できる業者を見分けるポイントを知ることで、安心して屋根のメンテナンスを任せることができます。
信頼できる業者選びのポイントを押さえ、適切なメンテナンスを行いましょう。
安心して依頼できる業者のポイント
施工実績や経験が豊富な業者は、高い技術力と対応力を持ち、様々な問題にも柔軟に対応できます。
建設業許可や建築塗装技術士、施工管理技士などの資格を持つ業者は信頼性が高いでしょう。
見積もりには工事範囲、使用塗料、施工方法、工期、費用などが明確に記載されているものを選びましょう。
地元に根付いて長く営業している会社は、アフターサービスや緊急時の対応が迅速です。
インターネットの口コミやSNS、知人からの紹介などで評判を調べて、信頼できる業者かどうかを判断することをおすすめします。
屋根点検を依頼する際のポイント
複数の業者から見積もりを取り、内容や価格を比較することで適正価格がわかります。
点検方法と費用についても事前に確認しておきましょう。
多くの場合、目視による簡易点検は無料ですが、詳細な調査には費用がかかることがあります。
事前に明確な説明を求め、不明瞭な請求には注意しましょう。
屋根点検では、瓦のズレやひび割れ、棟板金や漆喰の状態、屋根材の破損、塗装の剥がれ、雨漏りの兆候などをチェックしてもらうことが大切です。
点検後にすぐに契約を迫ったり、高額な工事を急かしたりする業者は避けるべきです。
じっくり検討する時間を持ちましょう。
適切な屋根メンテナンスの頻度と時期
屋根のメンテナンス時期と頻度は、使われている屋根材によって異なります。
どんな屋根材でも、10~15年ごとの定期点検や、台風などの災害後の点検がおすすめです。
スレートや金属屋根は、塗装の劣化やひび割れ、サビが見られたら早めに補修が必要です。
瓦屋根は耐久性に優れていますが、漆喰の劣化や瓦のズレ、割れがあれば補修しましょう。
特に海に近いなどの環境では、金属屋根のメンテナンス周期が短くなることがあります。
日頃からの点検と早めのメンテナンスを行うことで、屋根の寿命を延ばし、雨漏りや大規模な修理が必要になるリスクを減らしましょう。
まとめ
屋根の無料点検を装った悪質商法による被害は年々増加しています。
被害を防ぐには訪問業者の見分け方を知り、怪しい業者には毅然とした態度で対応することが大切です。
ドアチェーンを必ずかけ、身分証明書の確認を徹底しましょう。
信頼できる業者選びでは業界団体所属や資格保有を確認し、複数社から見積もりを取ることがポイントです。
定期的な適切なメンテナンスを行うことで住まいを長く守ることができます。