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【築年数の古い家】リフォーム費用相場は結局どのくらい?失敗しない業者選びのコツもご紹介

住宅寿命が約30年と言われる日本において、築20年を超える住まいは次々と問題が発生し始める時期です。
キッチンや浴室といった水回りが故障したり、外壁にひび割れが生じたりと、家の経年劣化は確実に進行していくでしょう。

本記事では、築年数別のリフォーム費用相場と、信頼できる業者選びのポイントについてご紹介します。


旧澤 はるか(創建リフォーム)

インテリアコーディネーター
カラーコーディネーター
キッチンスペシャリスト

前職ではリフォーム会社の営業職として家族状況の変化やライフステージに合わせた最適なリフォームプランを提案してきました。
株式会社創建に入社後、リフォームコーディネーター・カラーコーディネーターとして、色彩の配色を活かしたリフォームコーディネートを行っています。

    古い家のリフォームが必要になるタイミングとは

    築年数によって住宅に起きる問題は異なり、必要になるリフォーム内容も変わってきます。
    住まいの寿命を延ばし快適に過ごすためには、適切なタイミングでのリフォームが欠かせません。

    築20年を超えたらリフォームを検討すべき理由

    住宅設備機器の耐用年数から見ると、築20年超の住宅はリフォーム適齢期といえます。

    キッチン・浴室・トイレなどの水回り設備は15~20年が寿命目安で、この時期になると故障や漏水トラブルが発生しやすくなります。
    外壁塗装に関しても耐用年数は約10年程度なので、築20年の住宅では2回目の塗り替え時期を迎えていることが多いでしょう。

    リフォームと同時に断熱改修を実施すると、省エネ住宅化に伴う補助金制度を活用できる可能性もあります。
    費用面で考えると、20年前後は設備の更新と合わせて断熱性能も向上させる絶好のタイミングといえるでしょう。

    部位・設備 耐用年数 築20年超で必要な対応
    キッチン・浴室・トイレ 15~20年 全面交換が望ましい
    外壁塗装 10年程度 2回目の塗り替え
    窓・断熱材 20~25年 断熱改修を検討
    屋根 15~20年 状態確認と必要に応じて修繕

    築30年の家で起こりがちな劣化症状

    築30年になると、設備だけでなく住宅の構造面にも劣化が見られるケースが増えてきます。
    2000年以前に建てられた住宅は現行の建築基準法と比べて壁量や基礎仕様が緩い基準で建てられています。
    耐震診断を受けたうえで、必要に応じた補強工事が推奨されるタイミングです。

    屋根材に関しては、防水シートの耐用年数が約25年程度であるため、築30年になると雨漏りのリスクが高まります。
    給排水管が亜鉛メッキ鋼管の場合は20~30年で赤錆が進行し、漏水事故の原因になる可能性が高いため交換を検討する必要があります。

    水道管からの錆びた水、排水の流れの悪さ、天井や壁のシミなどの症状が見られる場合は、配管の劣化が進んでいる証拠です。
    早めに対策し、二次被害を防ぎましょう。

    築40年以上の家で検討すべき箇所

    築40年以上の住宅では、構造体そのものの強度に関わる部分の見直しが必要になってきます。
    1981年以前の旧耐震基準で建てられている場合が多く、現行基準を満たしていないケースがほとんどです。
    基礎、柱、梁などの構造部分の劣化やシロアリ被害、水害・腐朽の有無を専門家にチェックしてもらい、必要に応じて耐震補強や基礎補強を行いましょう。

    断熱材や水回り設備・配管も問題が発生している可能性が高いです。
    耐震・断熱・水回り・内装・電気設備・シロアリ対策を総合的に点検し、必要に応じてリフォームや補修を検討しましょう。

    築年数別のリフォーム費用相場はいくら?

    リフォーム費用は築年数や工事範囲によって大きく変わります。
    ここでは築年数別の費用相場を見ていきましょう。

    築20年前後の家のリフォーム費用

    築20年前後の住宅リフォームは、主に設備の更新や内装の刷新が中心となります。

    • 部分リフォーム・・・水回りのみの工事は150~400万円
    • 全面リフォーム・・・内装含めた場合は800~1,200万円
    • 外壁塗装・・・30坪の住宅で90~150万円(低価格塗料なら60万円台)
    • 断熱改修・・・内窓設置は1箇所8~15万円、全面断熱施工は300~500万円

    費用を抑えたいなら設備更新を優先し、予算に余裕があれば断熱改修も同時に行うことで、快適性と資産価値の両方を高められます。
    断熱強化や高効率給湯設備への交換をメインに行うのがおすすめです。

    築30年前後の家のリフォーム費用

    築30年前後になると、構造補強を含めたより本格的なリフォームが必要になってきます。

    • 耐震補強工事・・・基礎・壁・柱の補強が中心で100~300万円
    • 間取り変更リフォーム・・・800~1,500万円が相場
    • 屋根の葺き替え・・・100㎡のスレート屋根で80~150万円

    基礎や壁、柱や梁の補強、接合部の金物補強をメインに実施するのがおすすめです。
    屋根材の種類や形状、施工方法によって費用は大きく変動します。
    複数社から見積もりを取得し、比較検討しましょう。

    築40年以上の家のリフォーム費用

    築40年以上の住宅では、構造体に関わる大規模なリフォームが必要になるケースが増えてきます。

    • 全面リフォーム(構造体補強含む)・・・30坪で1,300~1,800万円(高仕様なら2,000万円超)
    • 耐震対策・・・診断費用10~40万円、補強工事25~200万円
    • 減築工事・・・木造住宅で坪50~70万円

    近年増えている減築工事(床面積を減らすリフォーム)は、維持費の軽減や高齢化に備えた住まいのダウンサイジングとして注目されています。
    診断結果によっては、より大規模な補強が必要になるケースもあるので、事前に調査と見積もりを依頼しましょう。

    古い家のリフォームで失敗しない業者選びのコツ

    リフォーム工事は金額が大きく、トラブルも少なくありません。
    信頼できる業者選びのポイントを押さえておきましょう。

    信頼できるリフォーム業者の見極め方

    満足度の高いリフォーム工事を目指すためには、適切な業者選びが肝心です。
    工事の規模にもよりますが、建設業許可があるか、電気や水道工事などの許可があるのかどうか確認しましょう。

    リフォーム瑕疵保険への加入有無も重要なチェックポイントです。
    標準的には10年保証となっており、万が一の品質問題に対応できるかどうかの目安になります。

    リフォーム業者選びでは、過去5年の施工実績写真を確認して類似工事の経験を見極めましょう。
    打ち合わせには営業担当だけでなく現場監督も同席してもらうと安心です。
    豊富な施工実績がある業者は問題解決能力も高い傾向があります。

    見積もり依頼時のチェックポイント

    適正価格で工事を依頼するためには、見積書の内容を細かくチェックすることが大切です。
    外壁塗装の場合は㎡単価、屋根工事は枚単価での記載を求めましょう。
    単価が不明瞭な見積もりは、後々のトラブルのもとになります。

    足場代や廃材処理費についても明記されているか確認しましょう。
    別途請求されるケースもあります。
    信頼できる業者選びのために、最低でも3社以上から相見積もりを取得するのがおすすめです。

    契約前に必ず確認すべき項目

    いざ契約という段階でも、最終確認すべき重要なポイントがあります。
    工事範囲については「部位単位」で明文化してもらうことが重要です。
    例えば「浴室ユニット全面交換」といった具体的な記載があれば、工事内容についての認識違いを防げます。

    中間金の支払い比率は30%以下に抑えるのがおすすめです。
    工事完了前に多額の支払いを済ませてしまうと、万一の場合に交渉力が弱まります。

    変更工事が発生した場合の単価についても、あらかじめ確認しておきましょう。
    設計変更時の追加費用に上限を設けることで、予算オーバーを防ぐことができます。

    最終的には契約書の内容をしっかり確認し、不明点は必ず質問しましょう。
    急かされて契約するのではなく、納得してから判を押すことが大切です。

    リフォームと建て替えどちらが得か比較してみた

    状況によっては、リフォームよりも建て替えの方が合理的な選択肢となるケースもあります。
    両者を比較してみましょう。

    費用面から見た比較ポイント

    リフォームと建て替えの選択は、何より費用面が大きな判断材料です。
    全面的なリフォーム(フルリフォーム)の平均費用は1,000万円~3,000万円程度、一方で建て替えの平均費用は1,500万~4,500万円程度となり、差額は1,000万~2,000万円程度になります。

    費用面での判断基準として、リフォーム費用が建て替え費用の70%を超える場合は、建て替えを検討した方が得策といわれています。
    将来的な維持管理費や資産価値も考慮した判断が必要です。

    リフォームを選ぶべき状況とメリット

    建物の基礎状態が良好で、柱や梁にシロアリ被害がない場合は、リフォームが有利です。
    リフォームは建て替えよりも固定資産税を1/2~1/3程度に抑えられるメリットがあり、建て替えは新築扱いとなるため税負担が増加します。

    工事期間も、リフォームなら3~6ヶ月程度で済むため、建て替えよりも仮住まい費用を節約できます。
    愛着のある住まいをそのまま活かせるという精神的なメリットも大きいでしょう。

    建て替えを検討すべきケース

    建物に重大な構造的問題がある場合は、建て替えを視野に入れる必要があります。
    不同沈下で家が傾いていたり、大規模なシロアリ被害で構造材の半分以上が損傷しているケースでは、リフォームより建て替えが安全です。

    リフォーム費用が非常に高額になる場合は、建て替えも検討する価値があります。
    大規模なリフォームよりも建て替えを選ぶと、耐震性・断熱性・気密性が向上し、将来的な維持費も抑えられる可能性があります。
    長期的な住まいの性能と経済性を考慮して判断しましょう。

    まとめ

    古い家のリフォームは築年数によって必要な対応が異なります。
    築20年では設備更新と断熱改修、築30年では耐震補強と配管交換、築40年以上では構造体補強と大規模修繕が必要になるケースが多いでしょう。
    費用相場も築年数や工事範囲によって大きく変わるため、事前に知識を持っておくことが大切です。

    業者選びでは許可や保険加入の確認、詳細な見積もり比較、契約内容の精査が重要なポイントとなります。
    状況によってはリフォームよりも建て替えが合理的な選択肢となるケースもあるため、両者をしっかり比較検討しましょう。