ガスコンロ取り付け(交換)費用はいくら?DIY可能?業者の料金相場も解説します

ガスコンロの交換時期が近づくと、業者に頼むかDIYでやるか悩むところです。
据え置き型とビルトイン型では設置難易度や費用が大きく異なるため、事前知識が重要になります。
本記事ではガスコンロ交換の料金相場やDIY可否、安全に取り付ける方法、信頼できる業者選びのポイントまで解説しましょう。
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ガスコンロのタイプ別取り付け方や難易度
ガスコンロには据え置き型とビルトイン型があり、取り付けやすさや費用が大きく違います。
各タイプの特徴と自分で設置できるかどうかについて詳しく解説しましょう。
据え置き型とビルトイン型の違い
据え置き型(テーブル型)はホームセンターや家電量販店で簡単に購入でき、ガス栓にホースをつなげて台に置くだけで使用可能です。
構造が単純で扱いやすく、故障時にすぐ買い替えられる点がメリットといえるでしょう。
ビルトイン型はキッチンに組み込まれるタイプで、キッチンと一体化しているため隙間や段差がなく見栄えが良いです。
掃除や手入れがしやすい反面、取り付けには有資格技術者による工事が必須となります。
据え置き型は手軽さが魅力ですが、台との隙間など細かい部分の掃除が難しいというデメリットもあります。
使用環境やライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。
DIYでの取り付けに資格は必要?
据え置き型のテーブルコンロは交換時に資格が不要で、ガス栓を閉めて適切に接続さえできれば自分でも簡単に取り外しと設置が可能です。
家電量販店やホームセンターで必要な部品も手に入るため、DIY初心者でも挑戦しやすい作業といえます。
ビルトイン型のガスコンロは本体の設置までなら自分でもできますが、ガス管との接続には法律で定められた資格が必要です。
無資格で行うと違法行為となり、事故発生時に保険適用外になるかもしれません。
ガス関連の作業は安全面で大きなリスクを伴うため、不安がある場合は専門業者へ依頼しましょう。
ビルトイン型はガス漏れなどの事故防止のためにもプロの手を借りるのがおすすめです。
ビルトイン型コンロ交換に必要な資格
ビルトイン型ガスコンロの設置や交換には複数の専門資格が必要です。
液化石油ガス設備士は一般家庭用などのLPガスの供給設備や消費設備の設置・変更工事を行う国家資格で、3〜5年ごとに再講習が求められます。
ガス可とう管接続工事監督者はガス可とう管(ジャバラ形状の配管)の接続工事を行うための民間資格です。
ガス漏れを防止するための専門知識を持つ技術者だけが取得できます。
ガス機器設置スペシャリスト(GSS)は高度な知識や技術を持ち、安全にガス機器を設置できることを認定された資格です。
消費者に安心と信頼を提供できる施工者であることを証明するものとして重要視されています。
ガスコンロ交換の費用相場と内訳
ガスコンロ交換には本体価格と工事費用がかかります。
タイプやグレードによって費用相場が異なるため、予算計画の参考になる具体的な金額を紹介しましょう。
据え置き型コンロの本体価格と工事費用
据え置き型(テーブル型)ガスコンロの本体価格は2万円〜10万円程度が相場となっています。
機能やデザインによって価格差がありますが、ビルトイン型と比較すると全体的に安価です。
取り付け工事を業者に依頼する場合、工事費は3千円〜5千円程度が一般的です。
本体価格と工事費を合わせた総額は2.5万円〜11万円程度となりますので、予算に合わせて選択しましょう。
据え置き型は自分で設置することも可能なため、DIYで行えば工事費を節約できる点も魅力的です。
ただし、ガス関連作業は安全面に十分注意してください。
ビルトイン型コンロの本体価格と工事費用
ビルトイン型ガスコンロの本体価格はグレードによって大きく異なり、3万円〜30万円程度が相場となっています。
機能性や安全性が高いモデルほど高価です。
標準的な工事費は1.2万円〜3万円程度で、東京ガスの場合は24,200円(税込)が基本工事費として設定されています。
シンプルな交換工事であれば追加費用なしで済むケースが多いです。
多くの家庭では工事費込みの総額で14万円未満(全体の約8割)での交換が実現しており、グレードによる価格差が大きい点が特徴です。
予算と必要な機能を考慮して選択しましょう。
グレード別の費用相場と機能の違い
ガスコンロはグレードによって価格帯と搭載機能に大きな違いがあります。
ベーシックグレードは基本的なコンロ・グリル機能を搭載したタイプで、工事費込みで約6万円〜10万円程度が相場です。
ミドルグレードになると、オートメニューによる自動調理機能やガラス素材の天板などが追加され、工事費込みで約11万円〜15万円程度です。
日々の調理をサポートする便利な機能が増えますので、忙しい方におすすめといえるでしょう。
ハイグレードモデルは鍋なし検知や地震感知による点火停止など、高度な安全機能が充実し、工事費込みで約18万円〜25万円程度が相場です。
グレード | 価格帯(工事費込) | 主な特徴・機能 | おすすめの使用者 |
---|---|---|---|
ベーシック | 6万円〜10万円 | 基本的な調理・グリル機能 | コスト重視の方 |
ミドル | 11万円〜15万円 | 自動調理機能、ガラス天板 | 家族で使用する方 |
ハイ | 18万円〜25万円 | 高度な安全機能、センサー充実 | 安全性重視の方 |
オプション工事が必要なケースと追加費用
ガスコンロ交換の際、状況によっては標準工事以外のオプション工事が必要になります。
どのような場合に追加費用が発生するのか詳しく解説していきましょう。
ガス可とう管交換が必要なケース
ガス可とう管はガスコックとビルトインガスコンロを繋ぐジャバラ形状の配管です。
接続部分が金属フレアになっており、一度使用したものを再利用するとガス漏れの危険性があるため注意しなければなりません。
ガス可とう管を使用している場合、ビルトインガスコンロ交換時に同時に新品への交換が必須です。
部材費込みで約3,300円(税込)〜4,000円程度の追加費用を見込んでおきましょう。
基本工事費のみで交換完了できるケースもありますが、ガス可とう管の交換が必要な場合は別途費用がかかることを事前に理解しておくことが重要です。
業者に確認しておきましょう。
コンロサイズ変更に伴う追加工事
既存のビルトインコンロと新しいコンロの本体高さが異なる場合、前面パネルと収納庫の間などに隙間ができてしまいます。
この隙間はフィラーという化粧板で埋める工事が必要になります。
旧サンウェーブ工業(現LIXIL)のコンロからの交換では、開口部を小さくする専用枠と操作パネルを小さくする凹型スペーサーの取り付けが必要です。
部材費別途で5,500円(税込)の工事費を見込みましょう。
パナソニックの幅広コンロやTOTOのフラットコンロなど特殊なコンロからの交換では、専用部材の取り付けが必要で、部材費別途で工事費5,500円(税込)程度が追加されます。
メーカー別の特殊工事と追加費用
メーカーや機種によっては特殊な工事が必要になるかもしれません。
パナソニックの芯ずれコンロからの交換では、広い開口寸法をふさぐために専用部材を取り付ける必要があり、部材費別途で工事費5,500円(税込)が発生します。
TOTOのスーパーコンロからの交換では、オーブン排気筒がコンロの後方から立ち上がっているため専用部材を取り付ける工事が必要です。
予算計画時に考慮しましょう。
特殊なガス配管に関する追加工事について、ポイントをまとめました。
- プロパンガスで直接ねじ込み式のガス栓使用時は、法令遵守ガス栓(ULコック)への交換が必要
- 法令遵守ガス栓への変更には、部材費込みで工事費8,800円(税込)の追加費用が発生
- 特殊な配管状況がある場合、現地調査後に追加工事の判断がなされるケースが多い
- 古いキッチンほど特殊工事が必要になる確率が高まるため注意が必要
ガスコンロのDIY設置手順と業者選びのポイント
据え置き型ガスコンロなら自分で設置できるケースも多いですが、正しい手順と注意点の把握が必要です。
業者選びのポイントも併せて解説しましょう。
据え置き型コンロのDIY設置手順
据え置き型コンロのDIY設置は比較的簡単ですが、最初にガスの種類(都市ガスかプロパンガス)をチェックし、ガスコンロやガスホースが家庭のガス種と合致しているか確認しましょう。
ガス栓の接続口に応じた設置方法を選ばなければなりません。
「ホースエンド型」の場合はホースとバンドで固定し、「コンセント型」の場合はガス管ソケットを使用します。
ホースエンド型の設置では「(1) ホースを必要な長さに切る」⇒「(2) ホースにバンドを通す」⇒「(3) コンロ側にホースを差し込みバンドで固定」⇒「(4) ガス栓側にホースを差し込みバンドで固定」という手順で作業を進めます。
DIY設置時の注意点と安全対策
DIYでガスコンロを設置する際は、作業前に必ずガス栓が閉まっていることを確認しましょう。
軍手などを着用して怪我を防ぎながら慎重に作業を進めることが大切です。
ガスホースは折れやねじれが生じない長さにしなければなりません。
距離に対して多少の余裕を持たせ、切る際はホースの断面がまっすぐになるよう垂直に切ることがポイントです。
接続後はガス漏れがないかしっかりチェックし、石けん水を接続部に塗って泡が出ないことを確認してから使用するようにしましょう。
異常がなければガス栓のツマミを開けて使用可能です。
信頼できるガスコンロ交換業者の選び方
ガスコンロ交換を業者に依頼する場合、まずは実績があり信頼できる業者かを見極めることが重要です。
希望するビルトインガスコンロを取り扱っているか、自宅が対応エリア内かも確認しましょう。
見積もりの際は項目ごとに費用が明確になっているかを確認します。
「一式」などとまとめられている業者は後々請求額が変わるなどのトラブルリスクがあるため注意が必要です。
ビルトインコンロ交換に必要な資格(液化石油ガス設備士・ガス可とう管接続工事監督者・ガス機器設置スペシャリストなど)を持った技術者が在籍しているかも確認すべき重要なポイントです。
まとめ
ガスコンロ交換は、据え置き型とビルトイン型で難易度と費用が大きく異なります。
据え置き型は2.5万円〜11万円程度でDIYも可能ですが、ビルトイン型は6万円〜25万円程度で有資格者による工事が必須です。
ビルトイン型は高機能になるほど価格も上がりますが、安全性や利便性も向上します。
ガス可とう管交換や特殊工事が必要なケースでは、追加費用が発生するため事前確認が重要です。
DIY設置は据え置き型に限り、安全対策を徹底してください。
業者選びは資格保有者の在籍と明確な見積りを重視しましょう。