L字型キッチンのリフォーム相場は?注意点・費用を抑えるポイントも解説

L字型キッチンは空間活用と作業効率の両立が魅力です。
壁に接する2つの作業台がL字に配置されたレイアウトで、限られたスペースでも広く使えます。
本記事では、適切なリフォームで理想的なキッチン空間を実現するポイントを解説します。
目次
L字型キッチンとは?
L字型キッチンはコーナー部分の活用が特徴的で、少ないスペースながら高い機能性を実現できます。
どのような特徴があり、どんな家庭に向いているのか見ていきましょう。
L字型キッチンの特徴
L字型キッチンは、上から見るとアルファベットの「L」の形をしています。
直角に曲がったコーナー部分に作業台を配置し、長辺と短辺にシンクとコンロを分けて設置するのが一般的です。
レイアウトは、壁付け型と対面型の2種類が主流で、間取りに応じて選択できます。
水回りと火回りを分けることで安全性も向上。複数人で作業がしやすい設計なので、家族で料理を楽しみたい人にもぴったりです。
コーナー部分にスパイスラックや小物収納を設置すれば調理中に必要なものをサッと取り出せます。
コンパクトで効率的な作業動線
L字型キッチンでは「ワークトライアングル」と呼ばれる冷蔵庫・シンク・コンロの三角形の動線が短くなります。
無駄な動きが減少し、料理の効率が格段に上がるでしょう。
L字の内側に立つだけで、少ない移動で調理作業全般を行えます。
無駄な動きが減り疲労の軽減も期待できます。
廊下やリビングなどの導線を妨げにくいレイアウトになっており、家族の行き来を邪魔せず料理に集中できるでしょう。
広いカウンターと収納が可能
L字の両辺を活用すれば、広い作業スペースを確保できます。
片側で下ごしらえ、もう片側で調理というように、作業を分担して効率よく料理できるのが魅力です。
カウンター下部には引き出しや収納棚を設置しやすく、収納力も高いです。
調理器具から食器まで必要なものをすべて収納できる点は主婦に喜ばれています。
キッチンとダイニングを分けることができる
L字型キッチンの片方をダイニングに面したカウンターとして活用すれば、配膳や片付けがスムーズです。
調理中の油はねなどがダイニングに届きにくい設計も可能で、食事スペースを清潔に保てるメリットがあります。
対面式にすれば家族との会話をしながら調理できる開放的な空間になります。
食事の受け渡しがスムーズにできる位置関係を作れるため、毎日の食事タイムが快適になるでしょう。
どんな家に向いているのか?
L字型キッチンは間取りが正方形に近い部屋に適しています。
コーナー部分を有効活用できるため、キッチンスペースが限られている中・小規模の住宅に最適です。
リビングダイニングと一体化したLDKにおいて空間を効果的に区切ることができ、オープンでありながら適度な仕切りも実現できます。
家族構成や生活スタイルに合わせた柔軟なレイアウト変更が可能なため、長く使い続けられるキッチンを目指す方にもおすすめです。
小さな家から広い家まで対応可能
L字型キッチンは最小限のスペースでも効率的なレイアウトを実現できます。
L字の長さや角度を調整することで、さまざまな部屋の形状に対応可能です。
狭小住宅では壁を有効活用したコンパクトな設計ができる一方、広い家ではL字の外側にアイランドカウンターを追加するなどの拡張性もあります。
二世帯住宅や料理好きな家族に最適で、複数の料理人が同時に作業するケースにも適しているのが大きな特徴です。
L字型キッチンのリフォームで注目すべきポイント
キッチンリフォームを成功させるには、いくつかのポイントに注目する必要があります。
日々の調理をより快適にするためのポイントを見ていきましょう。
動線の見直し
シンクとコンロの距離は適切な間隔(50〜60cm程度)を確保することが大切です。
近すぎると作業がしづらく、遠すぎると移動が増えて非効率になります。
冷蔵庫からシンク、調理台からコンロへの動線を直線的にすることで効率が上がります。
配膳やゴミ捨ての動線も考慮し、スムーズな家事導線を設計しましょう。
収納力のアップ
L字型キッチンのコーナー部分はクルーズカゴや回転式の収納を設置し、デッドスペースを活用するのがポイントです。
引き出し式の収納にすれば奥まで見渡せて使いやすくなるでしょう。
壁面を最大限に活用した吊り戸棚は、使用頻度の低いものの収納に便利です。
カウンター下の収納は調理器具のサイズに合わせて設計すれば使い勝手が向上します。
カウンターの高さや形状を変更する
身長に合わせたカウンター高さ(一般的には80〜85cm程度)に調整すれば疲労が軽減します。
L字の外側のカウンターを広めに設計し、ダイニングテーブルとしても活用できる設計にすると空間効率が上がるでしょう。
コーナー部分は丸みをつけるか45度カットすることで、体をぶつけるリスクを低減できます。
カウンター素材は耐久性・耐熱性・お手入れのしやすさを考慮して選ぶことが大切です。
最新設備の導入
IHクッキングヒーターは火を使わないため安全性が高く、L字型の角にも設置しやすいメリットがあります。
食器洗い機はシンク横の下部収納スペースに組み込むことで、作業効率が大幅に向上します。
タッチレス水栓や浄水機能付き水栓も衛生面や利便性を高める便利な設備です。
LED照明の設置で作業スペース全体を明るく照らすと、夜間の調理も安全に行えます。
L字型キッチンのリフォームにかかる費用相場
リフォームを検討する際には予算計画が欠かせません。
L字型キッチンのリフォームにかかる費用相場を確認しておきましょう。
リフォームの内容別にかかる費用
キッチン全体のリフォームは、既存キッチンの解体・処分費用も含めると75万円〜200万円程度かかります。
システムキッチンのグレードにより価格差が大きく、高級ブランドでは100万円以上の差が生じることもあるでしょう。
部分的なリフォーム(扉や天板のみの交換)は20万円〜50万円程度で実施可能です。
水道・ガス・電気などの配管移設が必要な場合は追加費用が発生します。
L字型キッチン特有の費用がかかる理由
L字のコーナー部分は特殊な加工が必要なため、直線的なキッチンより製作コストが高くなります。
【L字型キッチンリフォーム費用相場】
リフォーム内容 | 費用相場(目安) | 詳細 |
---|---|---|
システムキッチン交換 | 50万円〜150万円 | 新しいシステムキッチン(作業台、シンク、収納) |
カウンター・天板交換 | 30万円〜70万円 | 天板素材(大理石、人工大理石、ステンレス) |
収納棚の設置 | 10万円〜40万円 | 引き出し式収納、吊り棚、カウンター下収納の追加 |
フローリング・壁紙の張替え | 10万円〜30万円 | キッチンの床や壁のリフォーム(素材選びによる) |
家電の新設(食洗機など) | 5万円〜40万円 | 食器洗い機や最新の家電を新設する費用 |
照明・ダウンライトの追加 | 5万円〜20万円 | キッチンの雰囲気を変える照明の変更 |
2面の壁に接するため、壁面処理や配管工事が複雑になりやすく工事費が増加する傾向にあります。
収納や作業スペースが増えるぶん、使用する素材や部材の量が多くなり材料費が上がることも考慮しましょう。
L字型キッチンリフォームの工期と準備
スムーズなリフォーム工事のためには、適切な準備と期間の確保が重要です。
工期と準備について知っておきましょう。
リフォームにかかる期間
L字型キッチンの全面リフォームは通常7〜14日程度が必要です。
工事の基本工程は次のように進みます。
- 解体・撤去:1〜2日
- 下地工事・配管工事:2〜3日
- キッチン設置:2〜3日
- 仕上げ工事:1〜2日
既存の配管位置を変更する場合は工期が延びるケースが多いです。
部分リフォーム(天板交換や収納追加のみ)の場合は3〜5日程度で完了することが多いでしょう。
工事の進行に必要な準備
工事開始の1〜2ヶ月前には設備や素材の選定を完了し、発注しておく必要があります。
工事中の代替調理スペースの確保も重要です。
電子レンジや電気ポットの設置場所を事前に決めておくと良いでしょう。
近隣住宅への工事開始の挨拶や騒音発生の告知を行っておきましょう。
食器や調理器具の一時保管場所を確保し、工事前に片付けておくことで作業がスムーズに進みます。
L字型キッチンをおしゃれにリフォームするためのアイデア
機能性だけでなくデザイン性も高いキッチンにするためのアイデアを紹介します。
色選びとデザイン
白やベージュなどの明るい色は空間を広く見せ、小さなL字型キッチンに最適です。
上下で色を分けると視覚的な広がりを演出できます。
例えば上部キャビネットは白、下部は木目調にするといった工夫です。
マットな質感の素材は指紋や汚れが目立ちにくく、日常のメンテナンスが楽になります。
L字の内側の壁にアクセントカラーやタイルを使用すると、印象的な空間になるでしょう。
アクセントとしての素材
キッチンカウンターに大理石や人工大理石を使用すれば高級感と耐久性を両立できます。
バックパネルにはタイルやモザイクガラスを用いることで、掃除がしやすく見た目も華やかになりおすすめです。
木材の温かみを取り入れる場合は、水や熱に強い加工を施したものを選びましょう。
ステンレスのアクセントパーツでモダンな印象を与えることもできます。
照明の工夫
キッチン作業面の真上にLEDライン照明を設置すれば、影のない作業環境を実現できます。
L字のコーナー部分にはスポットライトを設置し、暗くなりがちな角を明るく照らすのがポイントです。
ダイニングに面したカウンター部分にはペンダント照明を設けることで、空間にメリハリをつけられます。
調光機能付きの照明で調理時とくつろぎ時で雰囲気を変えられるのも魅力です。
予算を抑えたL字型キッチンリフォームの方法
限られた予算でもキッチンリフォームを成功させるためのポイントを紹介します。
優先順位をつけて賢く予算配分することが大切です。
予算内で満足できるリフォームを実現するためのコツ
高額な設備はシンクとコンロなど頻繁に使う部分に集中投資し、他は標準グレードを選択するのがコツです。
キッチンパネルやカウンターなど見える部分に予算を使い、内部の収納や引き出しは標準仕様でコストカットできます。
一度に全てを変えず段階的なリフォーム計画を立てれば予算を分散できます。
展示品やモデルチェンジ前の型落ち商品を活用することで、同品質でも20〜30%安く購入できる場合があるのでチェックしておきましょう。
DIYでできる部分を取り入れる
既存キャビネットの扉だけを交換したり、塗装したりすることで見た目を一新できます。
壁紙やタイルシートなどのDIY向け素材を使って、バックパネルをリフレッシュするのも効果的です。
照明器具の交換や棚板の追加など、専門知識が少なくても実施できる範囲で挑戦してみましょう。
プロに依頼する部分と自分でできる部分を明確に区分し、安全面を考慮したDIY計画を立てることが大切です。
【まとめ】ポイントを押さえ、L字型キッチンリフォームを成功させよう
L字型キッチンのリフォームでは、動線や収納力を考慮した設計が重要です。
使いやすさとデザイン性のバランスが取れた理想的なキッチンを作りましょう。
予算や工期についても事前にしっかり計画することで、後悔のないリフォームが実現します。
キッチンは住まいの中心となる大切な場所です。
家族の生活スタイルに合った機能的でおしゃれなL字型キッチンで、毎日の料理タイムがより楽しくなります。