エコキュートの価格相場!設置・交換費用とお得な購入方法も解説

住宅設備導入を検討する際、価格やコストパフォーマンスが気になります。
特にエコキュートは初期投資がかかる一方で、長期的な光熱費削減が期待できる設備です。
本記事では、エコキュートの本体価格から設置費用、さらにお得な購入方法まで徹底解説します。
賢く導入して、家計にも環境にも優しい住まいづくりを実現しましょう。
目次
そもそもエコキュートとは?
エコキュートは給湯器の一種ですが、従来のガス給湯器とは仕組みがまったく異なります。
価格を理解する前に、基本的な特徴から見ていきましょう。
エコキュートの基本
エコキュートは大気中から熱を取り込み、少ない電力で効率的にお湯を作るシステムです。
ヒートポンプ技術によって、投入した電気エネルギー1に対して、3倍以上のエネルギーを生み出す仕組みが特徴です。
電力会社と契約した夜間の割安電力を利用してお湯を沸かし、貯湯タンクに保存する仕組みになっています。
一般的な給湯器と異なり、空気中の熱を利用するため省エネ性能に優れている点が最大の魅力です。
CO2冷媒を使用するヒートポンプユニットと、作ったお湯を貯めておく貯湯タンクから構成されており、各家庭の人数や使用量に合わせてタンク容量を選ばなければなりません。
日中のお湯使用量が多い場合でも、夜間に貯めたお湯を効率的に使用できるよう設計されています。
なぜエコキュートが人気なのか
エコキュートが多くの家庭に選ばれる理由はいくつかあります。
省エネ性能が高く、従来のガス給湯器や電気温水器と比較すると、年間光熱費を30%以上も削減できる点が高評価です。
限りある資源に依存せず、再生可能な大気熱を活用することで環境負荷を軽減できるため、環境意識の高い家庭から支持を得ています。
災害時には貯湯タンク内のお湯を生活用水として活用できるため、防災対策としても注目されています。
給湯だけでなく床暖房や浴室暖房乾燥機にも連携でき、オール電化住宅との相性が良く、住宅設備全体の最適化を図る家庭にぴったりです。
エコキュートの本体価格はどれくらい?
エコキュートの導入を考える際、まず気になるのが本体価格です。
機種やタイプによって価格差がありますので、詳しく見ていきましょう。
機種やグレードによる価格の違い
エコキュートの価格を左右する大きな要素がタンク容量です。
タンク容量は180L~550Lまで幅広く展開され、小家族向けの小容量タイプなら本体価格が比較的抑えられます。
容量が1サイズ上がるごとに約10万円価格が上昇する傾向にあり、4〜5人家族におすすめの460Lタイプだと中価格帯といえるでしょう。
また給湯タイプには「給湯専用」「オート」「フルオート」の3種類があり、機能が多いほど価格も高くなります。
給湯専用タイプは最もシンプルで安価ですが、追い焚き機能がないため、浴槽のお湯を温め直すには新しくお湯を足さなければなりません。
オートタイプは追い焚き機能があり、フルオートタイプはさらに自動配管洗浄機能が追加され、最も高価ですが利便性も高くなります。
メーカー別の価格帯
パナソニックのエコキュートは高機能モデルが多く、特に断熱性能に優れたモデルは価格が高めですが、長期的な省エネ効果で電気代削減が期待できます。
三菱電機は幅広いシリーズを展開し、寒冷地向けモデルも充実しており、耐久性の高さが評価されています。
ダイキンはエアコンで培ったヒートポンプ技術を活かした高効率モデルを提供し、ランニングコストの低減を重視したラインナップが特徴です。
コロナは比較的安価なモデルが多く、機能とコストのバランスが取れた製品が揃っており、初期費用を抑えたい方に選ばれています。
メーカー | 価格帯(目安) | 主な特徴 |
---|---|---|
パナソニック | 約40万円~約71万円 | 高効率・省エネ性能◎ |
三菱 | 約40万円~約75万円 | 耐久性に優れた設計 |
ダイキン | 約41万円~約64万円 | ヒートポンプ技術が強み |
コロナ | 約44万円~約57万円 | コスパが良く手が届きやすい |
設置・交換費用の相場は?
エコキュート導入には本体価格だけでなく設置工事費用も必要です。
設置場所や住宅の状況によって費用が変わりますので、具体的に解説していきましょう。
基本的な設置費用の内訳
エコキュートの導入費用は本体価格と工事費用に大きく分けられます。
基本工事費の内訳について、以下をおさえておきましょう。
- 基礎工事費用・・・2〜4万円程度
- 電気工事費用・・・2〜19万円程度
- 配管工事費用・・・1〜15万円程度
- 合計・・・一般的な条件下で約20〜25万円が相場
部材費や既存機器の撤去費、諸経費なども含めると、工事費全体では25〜35万円程度見込んでおく必要があります。
ただし、住宅の構造や設置場所によって工事の難易度が変わり、費用が大きく変動することがあります。
本体を置く場所の地盤が安定していることが前提条件であり、地盤補強工事が必要になると追加費用がかかります。
新規設置と交換で費用は変わる?
新規設置と既存機器からの交換では、工事内容や費用に違いがあります。
新規設置は基礎工事が必要なため、交換よりも2〜4万円ほど費用が高くなると考えてよいでしょう。
交換工事では既存の基礎や配管を再利用できることが多く、工事費用を抑えられる利点があります。
4人家族用(460L)フルオートタイプの場合、新規設置で約36〜94万円、交換で約34〜90万円が一般的な相場となります。
交換工事でも既存機器の撤去処分費(約1万円)が別途必要になることがあり、見積もり時に確認しておくとよいでしょう。
ガス給湯器からエコキュートへの交換では、電気容量の増設工事が必要となるケースが多く、そのぶん費用が高くなります。
追加工事が必要になるケース
標準的な工事費用以外に追加費用が発生するケースについて把握しておきましょう。
既存の基礎が劣化して使用できない場合、基礎の作り直しで2〜4万円の追加費用が発生します。
さらに、搬入経路に障害物があり特殊搬入が必要な場合、クレーン使用などで3〜10万円の追加費用が発生すると考えておきましょう。
オートタイプからフルオートタイプへの変更時に追い炊き配管工事が必要になると約20万円の追加費用がかかります。
電気温水器からエコキュートへの変更でブレーカー増設が必要な場合も、5〜10万円の追加工事費用が必要です。
特に寒冷地では配管の保温工事や凍結防止ヒーターの設置など、寒冷地仕様の工事が必要な場合もあるので、追加費用を見込まなければなりません。
どこで買うのが一番お得?
エコキュートの購入先によって価格やサービス内容に差があります。
どこで購入するのが最もお得なのか、比較してみましょう。
家電量販店 vs. ネット通販 vs. 専門業者
購入先ごとのメリット・デメリットを把握しておきましょう。
家電量販店は実機を見て担当者に相談できる利点がありますが、同じ機種でもネット通販や専門業者より10〜17万円ほど割高な傾向があります。
ネット通販は最も価格が安い傾向がありますが、工事業者との連携や万が一の故障時の対応に不安が残ります。
専門業者は現場調査から設置工事まで一貫対応が可能で、住宅状況に合わせた最適な提案が受けられる点が大きな魅力です。
エコキュート購入においては、価格だけでなく保証内容や故障時のサポート体制も重要な検討ポイントになります。
購入先選びでは、長期保証の有無や工事費込みプランの内容、アフターサービスの充実度などを総合的に比較しましょう。
購入先によって、保証期間の長さ、故障時の対応速度、点検サービスの有無、メーカー保証以外の独自保証など、重要なポイントに違いが出ることも考慮しなければなりません。
最もコスパの良い購入方法は?
コストパフォーマンスに優れた購入方法について見ていきましょう。
複数の業者から相見積もりを取ることで、適正価格を把握し最大10〜20万円の節約が可能になります。
実店舗を持たないインターネット専門業者は中間マージンが少なく、同じ機種でも安く購入できるでしょう。
本体価格だけでなく工事費込みの総額や保証内容など、トータルで比較検討することがコスパの良い購入につながります。
メーカー指定の正規施工店であれば、施工品質と長期的な安心を両立できるので購入先としておすすめです。
最後に地域密着型の専門業者は、アフターフォローが手厚く、トラブル時にも迅速に対応してくれる安心感があります。
住宅のリフォームやリノベーションと同時にエコキュートを導入すると、工事費を抑えられるかもしれません。
補助金を活用してさらにお得に!
エコキュート導入時には、各種補助金制度を活用することで費用負担を軽減できます。
2025年現在の補助金制度について詳しく見ていきましょう。
2025年のエコキュート補助金制度
現在利用可能な補助金制度について理解しておきましょう。
2025年現在、国レベルのエコキュート単体補助金は縮小傾向にありますが、経済産業省による「給湯省エネ2025事業」として最大60万円の基本補助金が設定されています。
地方自治体によっては独自の補助金制度を実施している場合もあり、住んでいる地域の制度を確認することが重要です。
補助金額は自治体によって異なりますが、一般的に5〜10万円程度の補助が受けられるケースが多いようです。
多くの自治体では年度初めに予算枠が設定され、先着順で補助金が支給されるため、早めに申請するのが良いでしょう。
環境性能が高い機種ほど補助金額が大きくなる傾向があり、高効率なモデルを選ぶことでより多くの補助を受けられる可能性があります。
エコキュートと太陽光発電システムを同時に導入する場合、別枠の補助金が適用されることもあるため、複数の制度を組み合わせて活用することがおすすめです。
申請の流れと注意点
補助金をスムーズに受け取るための申請手順と注意点を押さえておきましょう。
補助金申請の基本的な流れは「制度確認→書類準備→申請→承認→工事実施→完了報告→補助金受給」の順に進みます。
必要書類は「交付申請書」「見積書や契約書の写し」「設置住宅の地図」「本人確認書類」などが一般的です。
自治体の補助金は施工前に申請しなければならない場合が多く、工事後の申請では補助金対象外となる場合があるため注意しましょう。
申請書類に不備があると審査が遅れるため、自治体窓口や販売業者に事前確認することが重要です。
【まとめ】エコキュートを賢く導入しよう!
エコキュートの導入は初期費用がかかりますが、適切な選択で家計に優しい投資になります。
標準的な4人家族用なら本体価格40〜70万円、工事費込みで65〜105万円が相場であり、複数業者からの見積もり比較が重要です。
家族構成や使用状況に合ったモデル選びが長期的なコスト削減につながります。
自治体の補助金制度を活用すれば初期費用を5〜10万円程度軽減できます。
初期費用は高めですが光熱費削減効果が大きく、導入から約10年で投資回収できるケースが多いため、長期的な視点で検討するとよいでしょう。