浴室(お風呂)に窓を設置するには?リフォーム費用相場&メリットデメリットを正直解説

お風呂に窓があると明るく開放的な空間になりますが、リフォームで後付けするとなると費用や工事期間が気になるところです。
今回は、浴室窓設置のメリットからデメリット、種類や費用相場まで徹底解説します。
浴室の窓リフォームを検討中の方はぜひ参考にしてみましょう。
目次
浴室に窓を設置するメリットとは
浴室に窓を設置すると、明るさや通気性が格段に向上し、毎日の入浴時間がより快適になります。
詳しく解説しましょう。
自然光で明るく快適な入浴空間に
窓から太陽の光が入ると浴室内が自然と明るくなり、朝や昼間の入浴時に気持ちよく過ごせるようになります。
朝シャワーの習慣がある人にとって、自然光による明るさは体内時計を整える効果も期待できるかもしれません。
日光には殺菌効果があり、浴室内のカビ繁殖を抑制する働きも確認されています。
自然光による明るさで視覚的開放感が向上し、実際の広さ以上に広く感じられる効果も大きな魅力です。
暗く狭く感じがちな浴室空間が、窓一つで格段に開放的になります。
特に狭い浴室では、窓からの光で圧迫感を和らげる効果は絶大といえるでしょう。
換気がしやすく湿気対策に効果的
窓を開放することで換気効率は換気扇単体と比較して大幅に向上します。
期待できる効果をまとめました。
- 浴室内の湿気を効率よく外に排出できる
- カビの発生を抑制できる
- 嫌な匂いを素早く排出できる
- 浴室の乾燥時間を短縮できる
結露発生時間について、窓を設置することによって結露時間が短縮できることも分かっています。
浴室乾燥機と窓開放を併用することで電力消費を抑えられる点も見逃せません。
エコで経済的な入浴環境を実現したい方にとって、窓の存在は大きな助けになるでしょう。
空間に広がりと開放感をプラス
窓があることで浴室に開放感が生まれ、リラックス効果も高まります。
景観が良好な地域では、浴室から見える景色によって不動産価値が上昇する場合もあります。
窓枠のデザインを変更することで、外観の価値を向上させられるケースも少なくありません。
高断熱ガラスを使用することで冬場の浴室温度向上にも貢献します。
温度差によるヒートショックを防ぐ効果も期待でき、特に寒冷地域では高断熱ガラスの選択が重要です。
景色を楽しみながらのバスタイムは、日々の疲れを癒す貴重なひとときになるでしょう。
浴室の窓設置で気をつけるべきデメリット
メリットがある一方で、浴室の窓設置には注意すべき点もいくつか存在します。
詳しく解説しましょう。
断熱性の低下とヒートショックのリスク
単板ガラスの窓を設置した場合、冬場の熱損失率が増加してしまいます。
窓の断熱性能が低いと、冬場の浴室温度が下がりヒートショックのリスクが高まる点に注意が必要です。
急激な温度変化は体に負担をかけるため、特に高齢者は注意が必要でしょう。
浴室の窓を選ぶ際は、断熱性能も重要な検討ポイントとなります。
ガラスの種類 | 断熱性能 | 結露のしやすさ | 価格帯 |
---|---|---|---|
単板ガラス | 低い | 高い | 3~5万円 |
複層ガラス | 中程度 | 中程度 | 5~10万円 |
Low-E複層ガラス | 高い | 低い | 8~15万円 |
アルミサッシを使用した場合、結露の発生確率が樹脂サッシと比較して高くなります。
しかも、結露が続くとカビの発生原因となり、健康面での影響も心配です。
プライバシーと防犯
透明ガラスの窓は防犯面での脆弱性が高く、設置位置や種類に注意が必要です。
また、防犯ガラスを使用していない場合、万が一の侵入時に破られるまでの時間が短くなるため注意しなければなりません。
浴室は裸になる場所なので、プライバシーの確保が極めて重要です。
外からの視線を遮るために、すりガラスやフロストガラスの使用が一般的です。
目隠しフィルムやブラインドの後付けも可能ですが、湿気に強い素材を選ぶ必要があります。
清掃の手間が増える
浴室窓のサッシ部分はカビが発生しやすく、定期的な清掃が欠かせません。
複層ガラス窓のメンテナンス頻度は単板ガラスと比較して高くなりがちです。
経年劣化によって窓枠の気密性が低下し、水漏れや断熱性能の低下につながるリスクもあるでしょう。
窓の清掃は高所作業になることも多く、安全面での配慮も必要になります。
湿気の多い環境での使用となるため、耐久性に優れた素材の選定がポイントといえるでしょう。
浴室窓のリフォーム方法と種類を徹底解説
浴室の窓リフォームにはさまざまな方法と種類があります。
詳しく解説しましょう。
窓の種類と開き方で選ぶポイント
内倒し窓は横滑り窓と比較して防犯性能が高く、安全性に優れています。
縦すべり出し窓は横型と比べて換気効率が高め。暖かい空気は上に行くという性質を活かした設計です。
また、ルーバー窓は目隠し効果によって外部からの可視率を低減できるメリットがあります。
引き違い窓は開閉が簡単な一方で、レールの隙間から冷気が入りやすいというデメリットがあります。
はめ殺し窓はそもそも開閉できないため換気はできませんが、そのぶん気密性と断熱性に優れているのが特長です。
上げ下げ窓は上下に開閉するだけなのでスペースを取らず、効率よく空気の入れ替えができる点が魅力です。
横滑り出し窓は外側にスライドして開く構造のため、雨の日でも窓を開けて換気できるという利点があります。
使い勝手だけでなく、浴室空間の広さや窓の設置位置も考慮して選びましょう。
サイズ選びと設置位置
防犯上推奨されるサイズは幅45cm×高さ55cm以下とされています。
断熱最適高さは床から110cmを目安にするとよいでしょう。
景観保全地域によっては最大許容サイズが決まっている場合もあるため、事前確認が必要です。
窓の設置位置は外からの視線と使い勝手のバランスで決めるのが理想的です。
一般的に、浴槽に入った時に外の景色が見える高さを選ぶと満足度が高くなります。
断熱性能を高める窓リフォーム方法
内窓の設置によって熱損失を大幅に低減できます。
複層ガラスの導入によって結露の発生を抑制し、カビ対策にも効果的です。
樹脂サッシの導入によって熱伝導率を低減し、冬場の浴室温度を保持できます。
断熱性能の高い窓は、快適な入浴環境の実現と省エネ効果の両方に貢献するため、浴室リフォームの際には検討する価値があるでしょう。
既存の窓に内窓を追加するだけでも、大幅な断熱効果の向上が期待できるでしょう。
窓のすき間をシールで埋めるなど、小さな工夫でも断熱性は向上します。
浴室窓リフォームの費用相場と工期はどれくらい?
リフォーム計画には予算と工期の見通しが欠かせません。
詳しく解説しましょう。
リフォーム方法別の費用相場
ガラス単体交換の場合、板厚3mmの単板ガラスを基準にすると3~5万円程度が相場です。
内窓設置は樹脂製の標準サイズで8~15万円程度が一般的な価格帯となります。
カバー工法ではアルミ複層ガラスを含めて12~30万円程度の費用を見込みましょう。
追加オプションとして、防犯ガラスや断熱性の高いガラスを選ぶと費用が上乗せされます。
周辺の壁材工事が必要になる場合は、さらに費用が発生する点も考慮しましょう。
工期の目安と施工時の注意点
ガラス交換のみの場合は半日(2時間~4時間)程度で完了します。
内窓設置の工期は1日(4時間~6時間)が目安です。
カバー工法の場合は外壁補修も含めて2日程度の工期を見込んでおく必要があります。
施工中はお風呂が使えなくなるため、季節や家族の予定も考慮して日程を決めましょう。
工事前には浴室内の物を全て移動させる必要があるため、片付けの時間も考慮に入れるとよいでしょう。
費用対効果の高いリフォーム選びのコツ
断熱性を優先する場合、内窓設置の投資回収率は約3年とされています。
老朽化した窓の場合は、カバー工法を選ぶことでランニングコストを削減できます。
防犯強化のために防犯ガラスを追加すると、保険料が最大8%割引になる場合もある点も念頭に置くとよいかもしれません。
長期的に住み続ける予定なら高断熱・高気密の窓に投資する価値は十分にあります。
一方、数年以内に住み替え予定がある場合は、最低限の機能を満たす費用対効果の高い選択がおすすめです。
まとめ
浴室の窓リフォームは快適性向上と湿気対策に効果的な選択です。
断熱性能を高めたい場合は、内窓と複層ガラスの組み合わせが効果的で、熱損失を抑えられます。
また防犯面を考慮したサイズ選びも重要なポイントです。
工法選びによって工期も変わってきますので、生活スタイルに合わせた選択が可能です。
窓選びでは断熱性・通気性・防犯性のバランスを考慮し、長期的な住まいの快適さにつながる選択をしましょう。
周辺環境や使用状況に合わせた最適な窓選びが、後悔のないリフォームの鍵となります。