原因の種類 |
主な症状 |
発生しやすい条件 |
配管の問題 |
全ての蛇口で水圧低下 |
築10年以上の住宅 |
シャワーヘッド不良 |
シャワーのみ水圧低下 |
3年以上使用 |
給湯器不具合 |
お湯のみ水圧低下 |
10年以上使用・同時使用時 |
自分でできるシャワー水圧を上げる方法
水圧低下の原因がわかったら、まずは自分でできる対策から試してみましょう。
専門知識がなくても改善できる方法が多くあります。
シャワーヘッドの分解清掃
台所にある酢を水で薄めた5%程度の酢酸溶液にシャワーヘッドを2時間程度浸します。
浸漬後、歯間ブラシなどの細いブラシを使って穴あき部分を丁寧に清掃すると、水垢が効果的に除去できることもあります。
浸す時間が短いと効果が薄いので、十分な時間を確保しましょう。
シャワーヘッドのメッキ部分は傷つきやすいため、研磨剤不使用のスポンジで優しく清掃します。
穴の位置や大きさを確認しながら清掃するとよいでしょう。
水垢が固着している場合は浸漬時間を延長しましょう。
ストレーナー点検・清掃
シャワーホースと水栓の接続部には通常ストレーナーが設置されています。
六角レンチを使って緩めると、内部のフィルターを取り出すことができます。
力を入れすぎると部品が破損する恐れがあるので注意しましょう。
フィルターは細かな目詰まりを起こしがちです。
取り出したフィルターは流水で軽く洗い、付着物を歯ブラシなどで優しく除去します。
特に目の詰まった部分を重点的に清掃するのがおすすめです。
止水栓の調整
住宅内の止水栓がしっかり開いているか確認します。
ドライバーを使って1/4回転ごとに少しずつ開け、その都度流量を測定すると最適な開度を見つけられます。
急に開けすぎると水圧変動で配管に負担がかかる恐れがありますので、慎重に行ってください。
混合水栓の場合は湯水両方の調整栓を同じ量だけ回転させることが重要です。
片方だけを調整すると温度ムラが生じ、使い勝手が悪くなることもあります。
適切なバランスを保ちながら調整を行いましょう。
プロに依頼する水圧アップ対策と費用相場
自分での対策で改善が見られない場合は、専門業者による対策を検討しましょう。
初期費用はかかりますが長期的な解決になります。
給湯器関連の改修費用
最新の24号エコキュートへの交換は本体価格が約28万円、工事費が約7万円で合計35万円程度が目安です。
高効率の給湯設備に更新することで水圧問題と同時に省エネ効果も期待できます。
大規模な改修ですが、10年以上使用した給湯器であれば検討の価値があるといえるでしょう。
給湯器の熱交換器だけを洗浄する場合は、約2時間の作業で15,000円程度が相場です。
内部の汚れを専用の薬剤で洗い流すことで、熱交換効率と水圧を改善します。
給湯器自体に大きな問題がなければ、交換よりも経済的な選択といえるでしょう。
自動湯温調整弁に不具合がある場合の交換費用は、部品代を含めて1万〜2万円が目安です。
調整弁は給湯器の性能を左右する重要部品であり、交換により安定した湯温と水圧を取り戻せるかもしれません。
配管改修の費用目安
高圧洗浄による配管クリーニングは、20メートル程度の配管で18,000〜25,000円が相場です。
専用の高圧洗浄機を使用して配管内部の汚れや詰まりを除去する方法で、比較的短時間で効果を発揮します。
配管の状態次第では完全な解決にならない場合もありますが、まずは試す価値がある方法といえるでしょう。
部分的な配管交換は、5メートル程度の長さで塩ビ管材料費を含めて55,000〜80,000円程度です。
劣化や詰まりが特定の箇所に集中している場合に有効な方法です。
新しい配管に交換することで水の流れがスムーズになります。
全館の配管更新となると、100平方メートルの戸建て住宅で700,000〜1,500,000円の費用が必要です。
大掛かりな工事になりますが、住宅全体の水圧問題を根本から解決できます。
築20年以上の住宅では検討する価値があるでしょう。
増圧設備導入にかかるコスト
シャワーヘッドの交換を業者に依頼する場合、工賃は3,500円程度に本体価格が加算されます。
自分で交換するよりは費用がかかりますが、適切な製品選定と確実な取付けが期待できます。
水漏れなどのトラブルを避けたい方にはおすすめです。
家庭用増圧ポンプ(0.75kW程度)の設置費用は、工事費を含めて105,000〜130,000円が相場と考えましょう。
水道本管からの圧力が根本的に不足している場合に有効な対策です。
電気代は若干増加しますが、安定した水圧を確保できるでしょう。
低水圧対応の専用シャワーヘッドは5,800〜12,000円程度で購入できます。
通常のヘッドと比べて水流を効率的に制御する設計になっており、少ない水量でも十分な使用感を得られます。
費用対効果が高い対策の一つといえるでしょう。
水圧対策で快適なバスタイムを実現するコツ
長期的に快適なシャワー環境を維持するためには、適切な製品選びと定期的なメンテナンスが欠かせません。
ヘッド選び
シャワーヘッドを選ぶ際はJIS規格に適合した製品を選びましょう。
規格に準拠した製品は最低0.1MPaの水圧下でも正常に機能することが保証されています。
製品パッケージや説明書でJIS規格マークを確認しましょう。
節水型(毎分6〜8リットル)と標準型(毎分10〜12リットル)のヘッドを使い分けることも一つの方法です。
家族の人数や使用時間帯によって適切なタイプを選択すると、水道料金の節約と快適さの両立が可能になります。
定期的な予防メンテナンス
シャワーヘッドは3ヶ月に一度、5%程度の酢酸溶液に30分程度浸漬する習慣をつけましょう。
定期的な洗浄によって水垢の蓄積を防ぎ、常に最適な水流を維持することができます。
予防的なメンテナンスは問題が大きくなる前の対策としておすすめです。
6ヶ月ごとにストレーナーの点検を行うことで、目詰まりによる水圧低下を未然に防ぐことができます。
取り外しと清掃の方法を一度マスターしておけば、短時間で完了する作業です。
緊急時の対応
急に水圧が低下した場合は、家中の全蛇口の流量を測定してみましょう。
基準値である毎分10リットル以上の流量が確保できているかを確認することで、問題箇所の特定につながります。
特定の場所だけ水圧が低い場合は、その箇所の設備に問題があるかもしれません。
地域全体で水圧低下が起きている可能性もあります。
お住まいの地域の水道局に問い合わせて、供給圧力が0.15MPa以下になっていないか確認しましょう。
基準値を下回っている場合は改善を要請するのがおすすめです。
時間帯による水圧変動に対応するため、使用時間の調整も一つの方法です。
特に朝の6〜8時は水道使用のピーク時間帯であり、この時間を避けることで最大30%程度の水圧向上が期待できる事例もあります。
シャワー水圧改善の手順は以下の通りです。
- 状況チェック(配管・ヘッド・給湯器のどこに問題があるか見極め)
- 自力対策(清掃・止水栓調整など費用ゼロ~千円台の方法を実施)
- 軽微な改修(部品交換やポンプ設置で数千~数万円)
- 大規模工事(給湯器更新や全館配管交換で数十万円以上)
まとめ
シャワーの水圧低下は複合的な要因で起こることが多いです。
配管内部の詰まり、シャワーヘッドの目詰まり、給湯器の不具合など原因に応じた対策が必要になります。
自分でできる対策としては、シャワーヘッドの清掃や交換、ストレーナー点検、止水栓調整などが有効です。
改善が見られない場合はプロによる配管クリーニングや設備更新も検討しましょう。
水圧問題を放置すると生活の質が低下するだけでなく、設備の劣化も進行します。
定期的なメンテナンスで快適なバスタイムを維持しましょう。
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