【エアコンからガス漏れ?】今すぐできる確認方法と修理費用を徹底解説

夏場や冬場にエアコンの効きが悪くなると、原因としてガス漏れを疑うことがあります。
突然冷えなくなったり温まらなくなったりすると焦りますが、まずは冷静に状況を確認することが大切です。
本記事では、家庭で自分でもできるガス漏れの確認方法から、修理費用の相場まで解説します。
目次
エアコンのガス漏れとは?症状と原因
エアコンの効きが悪くなる原因の一つとして冷媒ガスの問題があります。
ガス漏れの症状や仕組みについて解説していきましょう。
冷暖房が効かない時のサイン
エアコンが冷房運転しても涼しくならない状態や、暖房をつけても暖かくならない状態になっていたら、ガス漏れが起きている可能性が高いです。
運転ボタンを押すと室内機からは風が出ているのに、冷たさや暖かさが感じられない場合は要注意です。
運転を開始してから30分以上経過しても室温が変わらない場合、冷媒ガス不足の疑いが濃厚になります。
効きが悪い場合はまずフィルターの掃除を試すのが基本です。
フィルターが汚れていると風量が減り、十分な冷暖房効果が得られません。
フィルター掃除を行っても改善しない場合は、ガス漏れを疑ってみるとよいでしょう。
冷媒ガスの役割と仕組み
冷媒ガスはエアコンの温度調整に欠かせない物質で、空気中の「熱」を運ぶ役割を担います。
室内機と室外機をつなぐパイプの中を循環し、冷房時には部屋の熱を外に、暖房時は外の熱を部屋の中に移動させる働きをします。
冷媒は「ガス」と呼ばれていますが、実際にはガスと液体の両方の状態を行き来しながら熱交換を行うものです。
エアコンは冷媒が配管と機械本体内で気体から液体、液体から気体へと状態変化を繰り返す過程で熱を移動させる仕組みです。
そのため、冷媒ガスが不足すると、熱交換の効率が下がり冷暖房能力が低下します。
ガス漏れの主な原因
エアコンガス漏れの原因として多いのが工事ミスです。
エアコン本体への配管接続が不完全だと、わずかな隙間からガスが少しずつ漏れ出します。
稼働年数が長いエアコンでは部品劣化も要因の一つです。
内部部品や配管の腐食によって穴が開き、冷媒が漏れる場合があります。
特に熱交換器が劣化すると小さな穴が開いてガスが漏れやすくなります。
台風など強風で室外機が動いた後や、室外機の位置を変えた直後に冷房が効かなくなる事例も多いです。
外的な衝撃で配管接続部に負荷がかかり、ガスが漏れるケースがあります。
自分でできるガス漏れのチェック方法
ガス漏れかどうか自分でもある程度確認できる方法があります。
専門業者を呼ぶ前に簡単なチェックをしてみましょう。
室外機の風と温度の確認
冷房運転中に室外機から出る風が常温の場合、ガス不足かもしれません。
正常な状態では、冷房運転中は部屋から集めた熱を外に放出しているため、室外機から生温い風が出ます。
ガスが漏れて不足すると、扇風機と同じく単なる送風になってしまいます。
確認方法としては冷房運転を起動させ、まずファンが回っているか確認し、次に室外機から出る風に手をかざして温度を感じてみるとよいでしょう。
風が熱くも冷たくもなく常温に近い場合はガス不足のサインかもしれません。
配管の状態を確認
冷房運転中に室外機の細い配管に霜がついている場合、ガス漏れやガス不足かもしれません。
正常な状態では冷房運転中、細い配管は冷たく、一方で太い配管はあまり冷たくならないためです。
温度差がない場合はガスが正常に循環していない証拠です。
冷房をつけても細い配管がまったく冷えない場合は、ガスがほとんど残っていない可能性が高いといえるでしょう。
配管を触って確認する際は、やけどや凍傷に注意しましょう。
漏れ箇所を特定する
ガス漏れの箇所を特定する簡単な方法として、石鹸水を使った確認方法があります。
漏れが疑われる箇所に石鹸水をスプレーなどで吹きかけると、ガスが漏れている部分から泡が発生します。
こうすることで、漏れ箇所を目視で確認できるかもしれません。
室外機周辺に油の跡がある場合は、冷媒ガス漏れの明確な証拠になります。
エアコンの冷媒には潤滑油が混ざっており、ガスが漏れた箇所には油跡が残るのです。
配管接続部や室外機周辺に油っぽい汚れがないか確認してみましょう。
ガス漏れの詳しい原因と修理対応
ガス漏れの原因をさらに詳しくみていき、適切な対応方法を考えましょう。
取り付け工事の不備によるトラブル
エアコン設置から3年以内で効かなくなった場合には、取付工事の不備が原因の可能性が高いかもしれません。
新品エアコンには十分な量の冷媒ガスが充填されており、正常に設置された場合は数年間はガス不足になりません。
早期にガス漏れが起きる場合は、配管接続部分などの施工不良が考えられます。
設置業者による工事保証期間内であれば無償修理の対象になることが多いです。
購入時の保証書や工事の領収書を確認し、設置業者への連絡を検討しましょう。
経年劣化と不適切なお手入れ
エアコンの標準的な使用年数は約10年とされており、10年を超えるとさまざまな部品が劣化しガス漏れの原因になります。
長年の使用により熱交換器や配管に小さな亀裂や穴が生じ、少しずつガスが漏れ出してしまいます。
特に海沿いの地域では塩害による腐食が進行しやすく注意が必要です。
市販の除菌スプレーを使用することで冷媒管が腐食するケースもあります。
除菌スプレーに含まれる成分が金属を侵食し、時間をかけて蟻の巣状に広がり穴を開けてしまう場合がありますので、注意しましょう。
お手入れをする際は、強い洗剤や除菌剤は使わず、フィルターは水か中性洗剤で洗ってください。
内部の洗浄は自分で行わず、専門の業者に依頼するのが安心です。
室外機を高圧洗浄機で洗うのは避けましょう。
修理を依頼すべきタイミング
ガス漏れが疑われる場合、自分で対処しようとせず修理業者に依頼するのがおすすめです。
エアコンの内部構造は複雑で、素人が無理に修理しようとすると状況を悪化させる恐れがあります。
特に冷媒ガスは専門知識と資格がなければ取り扱えません。
あきらかなガス漏れが確認できた場合は、直ちにエアコンの使用を中止し専門業者に連絡しましょう。
放置すると圧縮機などの重要部品に負担がかかり、さらに大きな故障につながる可能性があります。
ガス補充・修理の費用相場
ガス漏れが見つかった場合の修理費用はどれくらいかかるのでしょうか。
相場を知って予算の目安にしましょう。
ガス補充費用の目安
エアコンのガス補充費用の相場は約25,000円で、多くの場合3万円未満におさまります。
項目 | 価格の目安 | 備考 |
---|---|---|
出張費 | 3,000~8,000円 | 地域や時間帯により変動 |
ガス代 | 5,000~15,000円 | ガスの種類と量により変動 |
技術料・工賃 | 10,000~15,000円 | 修理箇所により変動 |
合計 | 18,000~38,000円 | 平均25,000円程度 |
費用内訳にはガス代、技術料・工賃、諸経費が含まれます。
ガス代はガスの種類と充填量によって変わり、一般的な家庭用エアコンでは0.5~1kg程度のガスを使用します。
業務用エアコンは家庭用よりもガス充填量が多く、数十kgになることもあるため高額になりやすいです。
事前に見積もりを取るとよいでしょう。
修理内容別の料金
修理内容によって費用は大きく異なります。
出張診断費として5,000円前後、修理基本料金15,000円程度、ガス補充10,000円前後が一般的な相場です。
単なるガス補充だけでなく、漏れ箇所の修理が必要になる場合は追加費用がかかります。
配管の交換や熱交換器の修理などが必要になると、部品代と工賃で追加1~3万円程度かかるかもしれません。
真夏や真冬などの繁忙期に即日対応を依頼すると、追加料金が発生する場合があります。
急ぎでない場合は閑散期に修理を依頼すると費用を抑えられるかもしれません。
修理と買い替えの判断基準
エアコン本体内部でのガス漏れは漏れ箇所の特定が難しく、修理よりも買い替えが良いかもしれません。
配管や室内機・室外機の部品が破損している場合、特に経年劣化により配管にヒビが入っているようなケースでは、修理しても再びガスが漏れる可能性が高いです。
修理費用が高額な場合や、エアコンの使用年数が10年以上の場合は、修理より買い替えが経済的なケースが多いです。
最新モデルは省エネ性能も向上しているため、電気代の節約にもつながります。
買い替えか修理かの判断は以下の点を考慮するとよいでしょう。
- エアコンの使用年数(10年以上なら買い替えも検討)
- 見積もり修理費用(高額なら買い替えも検討)
- 修理後の保証期間(短いなら買い替えが安心)
- 現在のエアコンの性能満足度
- 新モデルと比較した省エネ性能の差
まとめ
エアコンのガス漏れは冷暖房効果の低下として症状が現れます。
フィルター掃除をしても改善しない場合にガス漏れを疑いましょう。
冷媒ガスはエアコン内で状態変化しながら熱を運ぶ役割を担うため、これが不足すると冷えない・暖まらない状態になります。
ガス漏れの原因としては工事不良、経年劣化、外部からの衝撃などが考えられます。
自己診断としては室外機の風の温度や配管の冷え具合をチェックする方法があり、油跡があれば漏れの証拠と考えてよいでしょう。
修理費用は平均2.5万円程度ですが、本体内部での漏れや使用年数が10年を超える場合は買い替えも検討しなければなりません。
専門業者による適切な診断と修理で、エアコンを長く快適に使い続けましょう。